第三話「アルゼンチン帝国」
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
第三話「アルゼンチン帝国」
「こ、これほどの船が帆もオールもなく動くとは……」
「そして船の中とは思えない程清らかで美しい……。まるで光の妖精が住んでいるようだ」
使節団はオセウノの船内を見て感動していた。船に乗っているとは思えない程揺れはなく美味しい食材に様々な娯楽。使節団は想像以上の贅沢にアルゼンチン帝国が楽しみになっていた。
そして二日が過ぎた。
「あれが……アルゼンチン帝国」
「正確にはその自治領にあたる帝国領チリのパルバライソです」
「これほどの都市とは……」
初めて見る高層ビル群に使節団は驚きを現している。
そしてホテルに一泊しアルゼンチン帝国の帝都インペリオ・キャピタルへ向けて出発した。途中、大陸横断鉄道に乗った時には子供の様にはしゃぐほどだ。
インペリオ・キャピタルに付いた時には完成したばかりの帝都の様子に驚き更に建設された時期を聞き更に驚いていた。
「これほどの町、技術……。どれも素晴らしいですな」
「ええ、それでいて決して高圧的ではない。好感が持てます」
インペリオ・キャピタルの中でも一級のホテルにてハンキとヤゴウは話している。
「技術の輸出に関しては明日の会議で、と言われましたが様子を見るにあまり期待はしない方がいいでしょう」
「懸念はアルゼンチン帝国が何を求めているか、だな」
ハンキはアルゼンチン帝国が覇権国家であると言うのを薄々理解していた。そんなこの国が一体何を求めているのか。最悪の場合従属を求めてくる可能性もあった。
「とは言え我が国には切れるカードなど少ない。更には西から脅威も迫ってきている」
「残念ですが明日の会議で聞くしかなさそうですね」
「アルゼンチン帝国が無理な要求を求めて来ないことを祈るばかりだな」
そして夜は明けクワトイネ公国使節団と総統アイルサン・ヒドゥラーによる会談が始まった。
「早速で悪いのですが貴国は我が国に対して何を求めているのですか?」
ヤゴウの言葉にアイルサン・ヒドゥラーは直ぐには答えずに一拍置くと話し始める。
「帝都に来るまでで理解してくれたでしょうが我が国は転移国家です。この世界の事については何も知りません。故に我が国が求めるのはこの世界の情報、そして報告にあった魔法についてです」
「成程……」
ヤゴウはアイルサン・ヒドゥラーの言葉に理解を示す。情報は何よりも大切だ。魔法についても知らないのであれば興味がわくのは当然といえた。
「そして我が国は貴国に対し一定の技術の輸出を行う準備があります。武器についてはまだ未定ですがそれ以外の技術、道路の整備や港の拡張などの技術を輸出しましょう」
「……成程」
悪くはない内容だ。武器については仕方ないと思うがそれ以外の技術が情報と魔法を引き換えに手
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ