第二話「接触」
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第二話「接触」
「初めまして。私はアルゼンチン帝国外交官メイアン・ゴートと申します」
首相カナタは目の前のアルゼンチン帝国の外交官を名乗る男を改めて見る。珍しい服装を着ている男は一国の使者と言うには貧相ななりをしていた。
「この度は使節の受け入れを許可していただきありがとうございます」
「いえいえ、我が国も誤解を招いたまま関係を悪くするつもりはありませんので」
カナタは物腰が柔らかいメイアンに好感を持った。両国の国力が対等でもない限り上なら高圧的に下なら卑屈にすり寄って来るものだ。
「早速で悪いのですが我が国は貴国について何も知りません。良ければ教えていただきたいのですが……」
「勿論です。先ずはこれをご覧ください」
メイアンはそう言うと隣に置いてあるスーツケースから紙の束を取り出しカナタへと渡す。紙を受け取ったカナタは早速見るもすぐに顔を曇らせてしまう。
「どうかしましたか?」
「い、いえ。実は……何が書いてあるのか分からなくて」
「分かりました。では口頭で説明させていただきます」
メイアンが渡した資料にはもしもの事を考えてアルゼンチン語の他に英語、フランス語、ポルトガル語で書かれていたがそのどれもが読めなかったようだ。とは言えこうなる可能性は考慮されておりメイアンは慌てることなく口頭による説明を行う。
「まず、我が国はアルゼンチン帝国と言います。帝国を名乗っていますが実際は総統と言う地位を持つ文官による統治が行われています」
「つまり王族が国を治めている訳ではないと?」
「その通りです」
実際は独裁政権であるため王族のいない絶対王政と呼べるものであった画メイアンは言わなかった。反応から見て絶対王政はあまり受けが良くないようだからだ。
「次に我が国の領土ですが本国と四つの自治領に分かれています。全ての土地を合わせると……、900万ほどでしょうか」
「何と……!」
想像以上の領土にカナタは驚く。話を持っている可能性もあるため簡単に信じる訳にはいかなかったがメイアンの堂々とした態度から少なくとも騙そうとしている訳ではないように感じた。実際嘘は言っていないし自分たちより広大な土地を持つ国など元の世界では普通に存在した。
アルゼンチン帝国一の盟友であるヌナブト連邦共和国などは全領土を合わせても広大な領土を持っているし旧大陸に存在する国の中には倍以上の領土を持つ国もいたのだ。
「そして帝都はインペリオ・キャピタル。500万人が生活する都市です」
「こ、これは……」
次の内容は帝都についてである。半年前に完成した帝都の写真をカナタに見せれば驚愕に目を見開いている。実際計画されて設計された高層ビル群はカナタの目にはまるで幻想の様に映った事だろう。
そしてメ
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