第二話「接触」
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イアンはその後も口頭で説明を行っていく。途中、休憩を挟みつつもアルゼンチン帝国という国をある程度は教えることができただろう。とは言えカナタはともかく他の人の中にはまだ信じられない者もいる様でありメイアンは提案を行った。
「どうでしょう?口や写真で聞くよりも実際に我が国を見ては?」
「それはつまり貴国に使節団を派遣すると言う事ですか?」
「ええ、そうなります」
「……分かりました。流石に私一人では決められないので会議を直ぐに行い決定する事にします」
「それで構いません。より良い返事をお待ちしています」
そして会議の為に会談はいったん終了した。カナタはそのまま会議を緊急で行い使節団派遣の決議を取る。
「私は構わないと思う。実際に見れば分かる事だ」
「流石に使節団の者に無礼を働く事端はないだろうしな」
こうして使節団派遣が決定し直ぐにでも派遣するものが選定された。各部門のスペシャリストたちがアルゼンチン帝国の使節に任命され帝国へと向けて旅立つことになった。
「クワトイネ公国使節団の方々の為に旅客船を用意しました。それに乗船いただき二日後には到着します」
アルゼンチン帝国外交官メイアンの言葉に使節団の一人が何とも言えない顔をする。
「ハンキ様、どうかしましたか?」
「ん、ヤゴウか。どうも船旅は好きになれんでのぉ。船内は暗く湿気も多く長旅となれば疫病にかかる者も出てくる」
「そうなのですか……」
「ゴート殿は二日でつくと言っておったがワシは伝達ミスだと思っておる」
「ですがそこは鉄竜を持っているアルゼンチン帝国です。何か我々とは違うものを持っているのでしょう」
ヤゴウは鉄竜を運用するアルゼンチン帝国を高く評価していた。今回の旅もワクワクが止まらない程だ。
「皆様、あれがその船になります」
メイアンの言葉を聞きヤゴウたちは視線を向けるがそこには信じられない程巨大な鉄の船があった。しかも帆もオールも存在しないのにも関わらず進む姿に驚愕した。
「あ、あれが船なのですか!?」
「はい、我が国の旅客船オセウノと言います」
これはかつてヌナブト連邦共和国から譲り受けた旅客船アマウディを模倣して作られた船である。国内では有識者が、国外では国賓のみが乗船できるアルゼンチン帝国最高の船である。そしてそのオセウノを守るようにAZ級駆逐艦五隻が護衛として付いている。オセウノに負けず劣らずの駆逐艦にヤゴウたちは改めてアルゼンチン帝国の技術力を思い知らされるのであった。
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