暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第九話 伝説の始まり
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がいる星もエル・ファシルって名前だ。よく考えてみると、??なんだよな。
この世界の人々も、自分が住んでる星の衛星の事を月って言うし、主星の事を太陽って呼んでる。ハイネセンに住んでた頃もバーラトじゃなくて太陽、太陽って呼んでた。
…なんて事はどうでもいい。月には補修用ドッグがあって、こないだの戦いで傷ついた船がまだ入渠したままなんだ。それもそうだし、哨戒に出ている艦艇以外は休暇になっている。アウストラは旗艦だから休暇は後回しになっていたからよかったものの、他の艦はそれぞれ全員揃うのに時間がかかるだろう…。確かに参ったなこりゃ。



6月3日23:50 エル・ファシル軌道上、エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊、旗艦アウストラ
オデット・ファーブル

 士官室に集まってた砲術長と射撃管制主任が戻ってきた。何か浮かない顔してる。
『士官は辛くても全然平気そうな顔をしてなくちゃいけないんですよ。特に兵隊の前ではね』ってエアーズ兵曹が言ってたっけ?確かにあんな顔をされたら部下としては色々勘繰っちゃうよね…。
「よし、皆集合。射撃の皆も呼んできてくれ」
新任のクロンビー中尉。中尉を見てるとガットマン大尉がどれだけ優秀だったか分かるわ…。
「砲術長、皆集まりました」
「そうか、では始めよう」
砲術長セーガン大尉が話し始めた。
「イゼルローン回廊の同盟側で、第3分艦隊が敵と交戦中である。警備艦隊司令官は宇宙艦隊司令部に増援を要請、ジャムジードの星系警備隊艦隊が増援の準備中だ。第2分艦隊は現有戦力でアスターテからアルレスハイムに進出、同星系の哨戒を行う」
どっちみちウチは哨戒ばかりということね。
「四十隻でですかい!?回廊入口でドンパチやってるってのに、そりゃ少しばかり酔狂の度が過ぎるってもんじゃねえですかい?」
「…決定だ。バーンズ曹長。本隊と第1分艦隊はヴァンフリートを突破して最短で回廊入口に向かうそうだ。我々は途中哨戒隊を収容しながらアルレスハイムに向かい、同星系の哨戒に当たる」
…はあ。やんなっちゃう。



6月6日14:00 イゼルローン回廊前哨宙域、エル・ファシル警備艦隊、旗艦グメイヤ 
アーサー・リンチ

 「司令官。帝国艦隊およそ五百隻、我が方の12時方向。第3分艦隊と正対中です。距離、約六十光秒」
「よし、第3分艦隊と敵を挟撃する。全艦砲撃戦用意」
うまくいった、敵を牽制しつつティアマト方向に後退しようとしていた第3分艦隊を追う帝国艦隊の左側面を突く位置に出る事が出来た。ヴァンフリートを抜けたのは正解だった。
「第1分艦隊に、三時方向に移動して敵の後方を遮断するよう伝えろ」
「はっ」
第1分艦隊が敵の後方を遮断すれば、敵は三方向から包囲される事になる。第3分艦隊の損害の程度はまだ分からないが、そ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ