第十話 ハルツィナ樹海
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ミミも忙しなくあっちへふーりふーり、こっちへふーりふーりしてる。
「「‥‥‥‥‥」」
蜂起がウサミミに手を伸ばした。
ナデナデ‥‥
「‥‥んぅ」
モフモフ‥‥
「ほ、蜂起さん‥‥」
「‥‥やっべえ、手触り凄くいい」
モフモフ‥‥
ウサミミみょーんみょーん‥‥‥
「うふふ‥‥」
ミーナがクスリと笑う。蜂起は思わずドキリとした。蒼い瞳に見つめられ、さらにドキドキする。
「え、えっと‥‥とりあえずこれからよろしくお願いします」
どぎまぎしながらも挨拶(?)をする。
「うん‥‥よろしくね!」
はにかみながらも笑顔で返すミーナに、蜂起は心の底からノックアウトするのだった。
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一行は更に進む。樹海の中に入ってからは、ハウリアたちに囲まれながら進んでいる。行き先は樹海の最深部にある巨大な一本樹木だ。オスカー曰く、そこがどうやら大迷宮の入り口らしい。亜人たちには大樹ウーア・アルト≠ニ呼ばれており、神聖な場所として滅多に近づくものはいないらしい。峡谷脱出時にカムから聞いた話だ。
「コウ殿、できる限り気配は消してもらえますかな。大樹は、神聖な場所とされておりますから、あまり近づくものはおりませんが、特別禁止されているわけでもないので、フェアベルゲンや、他の集落の者達と遭遇してしまうかもしれません。我々は、お尋ね者なので見つかると厄介です」
「あいよ」
俺たちは気配遮断を行使する。ユエも奈落で培った方法で気配を薄くした。
「ッ!? これは、また……コウ殿、できればユエ殿くらいにしてもらえますかな?」
「ん?こうかな?」
「はい、結構です。さっきのレベルで気配を殺されては、我々でも見失いかねませんからな。いや、全く、流石ですな!」
元々、兎人族は全体的にスペックが低い分、聴覚による索敵や気配を断つ隠密行動に秀でている。地上にいながら、奈落で鍛えたユエと同レベルと言えば、その優秀さが分かるだろうか。達人級といえる。しかし、なぜか俺の気配遮断≠ヘ更にその上を行くらしい。普通の場所なら、一度認識すればそうそう見失うことはないが、樹海の中では、兎人族の索敵能力を以てしても見失いかねないハイレベルなものだったとか。
しばらく、道ならぬ道を突き進む。直ぐに濃い霧が発生し視界を塞いでくる。しかし、カムの足取りに迷いは全くなかった。現在位置も方角も完全に把握しているようだ。理由は分かっていないが、亜人族は、亜人族であるというだけで、樹海の中でも正確に現在地も方角も把握できるらしい。
「‥‥‥‥時止!」
俺は何かを感知したので、時を止めて周囲を確認。すると子供のハウリアに襲いかかろうとする
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