第二部
予兆
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歩く紫闇とイリアス。
目前では二人の男による諍い。
「迷惑じゃなければなあ」
「好きにしろと言いたいけど」
二人は学生魔術師のようで体が白銀の魔晄防壁によって覆われる。
そして互いの【魔晄外装】を出した。
「不味いですねイリアスさん。みんな避難したり罪を犯した魔術師を捕まえる【狩人/ハンター】に通報したりしてますけど」
「建造物が只じゃ済まない」
紫闇達は二人を止めようとする。
「止しなさい。迷惑です」
一同が声の方を見た。
そこにはイリアスのような貴公子。
闇色のスーツに包まれた体はモデル形無し。
身長は180センチ前後。
腰まで伸びた金髪が特徴的だ。
夜でも判る碧眼も印象に残る。
美女のように整った凄まじい美形。
そんな青年から掛けられた言葉と柔和な笑顔が気にくわなかったのか争っていた二人が喧嘩相手よりも優先して突っ込んでいく。
紫闇は青年を助ける為に外装を出そうとするがイリアスに制止されてしまった。
「心配ない。何とでもなる」
どういうことか聞きたかった紫闇だが、取り敢えず見守ることに。
青年は白銀の防壁に包まれた。
どうやら魔術師らしい。
その行動は紫闇を驚かす。
向かって来る二人を躱すと外装を出すこと無く、首筋に手刀を入れて失神させたから。
「相変わらずか」
イリアスは青年を知っているらしい。
「こうなると解ってたんですね」
青年は去っていった。
「龍帝学園の『白狂戦鬼』だけではなく貴方まで居るとはねイリアス。近い内にまた会うことになりますよ」
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