TURN34 開戦と共にその十
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イギリスはネルソンにだ。こう言ったのである。
「さて、少し時間がかかるな」
「そうですね。喜望峰経由ですが」
「スエズが使えたらすぐだったんだがな」
「ですが今は北アフリカを抑えられ」
「スエズが最前線だからな」
「残念ですが使えません」
「だからな。仕方ないな」
イギリスは少し首を捻ってだ。モニターの向こうのネルソンに述べた。
「時間がかかるのはな」
「そうですね。それは」
「南アフリカを回るけれどな」
「あそこが何か」
「あそこの総督だけれどな。秘書がいるだろ」
「?そういえば」
イギリスの話からだ。ネルソンはあることを思い出した。
「現地の。かなり奇麗な少女を」
「ああ、パルプナっていうんだけれどな」
「その娘が何か」
「どうもかなり酷い扱いをしているらしいんだよ」
「それ程ですか」
「みたいだな。秘書だっていうけれどな」
公にはそうなっている。だがだというのだ。
「その実はな」
「奴隷ですか」
「そうした扱いらしいな」
「現地民への虐待は厳罰と定められていますが」
「俺もそれは守らせてるけれどな」
少なくともイギリス自身もそうしたことは好んでいなかった。
「けれどな。中々な」
「植民地までは目が届かないですからね」
「結構見てきただろ、ネルソンさんも」
「はい」
沈痛な顔になってだ。ネルソンは祖国の問いに答えた。
「そのことは」
「そうだな。何度も見たよな」
「貴族達の多くの植民地での行動は目に余ります」
「現地民をな。こき使ってな」
「そしてそれがです」
「ガメリカや中帝国のいい批判材料になってるしな」
連合国内であるがエイリスと彼等の衝突材料は多いのだ。
「それに特にな」
「ソビエトですね」
「あいつ等が一番攻撃してくるな」
当然ながらだ。ソビエトは植民地主義に反対している。カテーリンは口を極めてエイリスの植民地主義を批判し打倒しようと呼びかけているのだ。
だからだ。イギリス自身も言うのだ。
「そんなのを許さない為にもな」
「そうです。彼等の横暴は許してはなりません」
「そうなんだがな」
「植民地にはとても」
「目が届かないんだよ」
「嘆かわしいことです」
「正直マレーとかベトナムでもあれだろ」
どうかとだ。イギリスは言うのだった。
「貴族の連中が好き勝手やってるだろ」
「おそらくは」
「インドとかアラビアでもだよな」
「あの辺りは現地の企業がありますが」
「東インド会社だな」
「はい、あの企業が経営にあたっていますが」
「何か今は女社長だったな」
イギリスはここで微妙な顔になりだ。こんなことを述べた。
「クリオネとかいったな。何度か会ってるけれどな」
「変わった方ですね」
「三十歳か?微妙な年頃だ
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