第三章
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「違いがあるわね」
「そうだな」
「仕草とかは本当によく似ていてね」
「いつも一緒にいるけれどな」
「そうね、というかね」
ここで妻は犬達を見ながらこんなことを言った。
「この子達別々にしようとしたら」
「お互いに凄く嫌がるな」
「そうよね」
「喧嘩もしないしな」
兄弟でというのだ。
「いつも仲良く一緒にいないとな」
「凄く嫌みたいね」
「寝る時も一緒でな」
この時もというのだ。
「当然今だってな」
「お散歩も別々にしようとしたらね」
「凄く嫌がってな」
「ベンもネルも私達をすがる目で見てくるから」
「どうしてもな」
そこはというのだ。
「一緒に連れて行かないとな」
「駄目だしね」
「当然ご飯の時も一緒で」
「いつも一緒じゃないとな」
「嫌みたいね」
「この子達は捨てられたけれど」
それでもとだ、夫はベンもネルも見て言った。
「その時も一緒でそのことだけはよかったか」
「そうかも知れないわね」
「そして今も一緒にいられてな」
「よかったわね」
「若しこの子達が別々なら」
そうならというのだ。
「こうまで幸せそうじゃなかったな」
「そうね、本当にね」
「ああ、じゃあこれからもな」
「いつも一緒にね」
「いる様にしていこうな」
「そうしていきましょう、あんた達もそれでいいわよね」
妻は夫と話してそしてだった。
犬達に笑顔で言った、すると。
「ワン」
「ワン」
ベンもネルもだった、自分達の主達に顔を向けてだった。
一言鳴いた、それが返事にしか思えず妻は夫に言った。
「いいって言ってるわね」
「そうだな」
それはとだ、夫は妻の言葉に笑顔で答えた。そうしてずっと二匹をいつも一緒にいられる様にしていった。それが彼等にとって一番の幸せであると確信したので。二匹は実際にいつも一緒に二階堂家にいてとても幸せそうであった。
一緒にいられるから 完
2020・2・26
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