第二章
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「保健所に行くか」
「引き取りに」
「そうするか」
「私が行ってくるわね」
車を運転してとだ、妻は夫に申し出た。
「あなたはお仕事でしょ」
「ああ、それはな」
「だからね」
「奥さんが行ってくれるか」
「そうするわね」
「悪いな、じゃあ頼む」
「悪くないわよ、パートが終わったら」
その時はとだ、妻は夫に笑顔で話した。
「すぐに保健所に行くわね」
「頼むな」
「家族が増えるわね」
「ああ、それも一度に二匹もな」
夫は妻に笑って話した、娘達にも話すと彼女達も反対しなかった、むしろ犬が二匹も来ると聞いて大喜びだった。
そして家に二匹の犬が来たが。
二匹共一メートル程度の大きさで黒い毛はむくむくとした巻き毛で鼻の周りが白い。黒い目は優しいもので毛に隠れていて耳は垂れている。
二匹共そっくりでお互いに寄り添っている、娘達は母が連れてきたその犬達を見て母に対して尋ねた。
「ええと、この子達雄?雌?」
「どっちなの?」
「それで何て種類なの?」
「随分大きいけれど」
「二匹共雄で種類はブリヤードっていうの」
母は二人の娘の問いにすぐに答えた。
「保健所の人達のお話だと二匹共凄く大人しくて優しくてお互い仲がいいらしいわ」
「いい子達なのね」
「そうなのね」
「大きいけれど怖くないの」
「そうなの」
「車の中でも凄く大人して騒がなかったわ」
二匹共というのだ。
「だから安心してね」
「うん、じゃあね」
「私達もこの子達の世話をするわね」
「ご飯あげたりして」
「そうしてね」
「この子達は大きいから子供ではお散歩は無理ね」
母は犬達の大きさを見て小学校四年と三年の娘達ではと話した。
「だからお父さんとお母さんが行くわね」
「そうするの」
「私達はお散歩はいいの」
「一緒に来てくれるならいいけれど」
それはいいがというのだ。
「それでもリードはお父さんとお母さんが持つわね」
「お散歩はそうするのね」
「そうしてやっていくのね」
「ええ、皆で役割決めて一緒にやっていきましょう」
こう娘達に話してだった、二階堂家は家に引き取った犬達との暮らしをはじめた。兄と言われた方の首輪は赤にしてベンと名付け弟と言われた方の首輪は青いものにして名前をネルとした。暫くすると。
家族は一見そっくりのベンとネルの違いがわかる様になった、夫が妻に二匹の散歩をしながら話した。
「ネルの方が毛の色は黒いな」
「そうね、ベンは黒っていうかね」
「少し灰色がかっているな」
「そうよね」
「それでわかるな」
「本当にそっくりだけれど」
それでもというのだ。
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