第4章 夏色溢れる林間学校
第77話『夏のはじまり』
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の件を思い返すと納得するのだが、果たしてどんな風なのだろう。まさかまた異世界に行ったりしないだろうな。
「すたんぷらりー? 何それ?」
結月は見知らぬワードに疑問符を浮かべる。
少なくとも、彼女が住む地域には"水泳"が無かったぐらいなのだ。知らなくても不思議ではない。
「じゃあそれは当日のお楽しみってことで。その方が面白いでしょ?」
「うん、そうだね!」
満面の笑みを浮かべる結月に、晴登は無意識に微笑んだ。何度見てもいい笑顔である。
「けっ、いいよな〜夏休みがあるなんてよ」
「そういえば、3年生は今年は受験勉強なんですよね」
「あぁ、全く大変だぜ」
今まで意識していなかったが、もう7月ともなると3年生は部活動引退の時期だ。終夜たちとこうして団欒することが無くなるのだと思うと、寂しいものがある。
「まぁ、まだ部活は引退しないんだけどな」
「え、しないんですか!?」
「魔術部の3年生の正式な引退は夏休みが終わってからなんだよ」
「そ、そうなんですか…」
そんなに引退が遅くて、受験勉強は大丈夫なのだろうか。いや、そもそもなぜそんなに遅いんだ。もしかして、夏休み中に何か活動があるのだろうか。
「それでも、俺らは夏休み中は大体受験勉強だから、結局夏休みは無いってこった。お前らも2年後はこうなってるぞ」
「うげぇ、そんなこと言わないでくださいよ。まだ1年生なんですから」
「はっはっは。なら今のうちに学校生活をエンジョイするんだな」
終夜の快活な笑いに晴登は肩をすくめる。
しまった、引退が遅い理由は訊くタイミングを失ってしまった。でもきっとそのうちわかるだろうから、今は気にしないことにしよう。
「あ、そういえば言い忘れてたが、お前ら水着を買っておいた方がいいぞ。海まで行ってスク水なんてダサいからな」
「あぁ〜そういえば」
それは盲点だった。となると、スク水しか持ってないから買いに行く必要がある。大地にでも相談するとしようか。
「となると、結月も別の水着か…」
「何か言った? ハルト」
「あぁいや、何でもない!」
その誤魔化しに結月は首を傾げているから、本当に晴登の呟きは聞こえていなかったのだろう。危なかった。
さて、普段見るスク水の格好でも十分に魅力的な結月は、他の水着だと一体どんな風になるのだろうか。男の子的にとても気になる。
「三浦、あんまり浮かれすぎんなよ?」
「べ、別に浮かれてないですよ!」
「ホントか〜? まぁいいや。とりあえず、楽しんでくるといいさ。よし、今日は特にすることもないので、これで解散!」
終夜の言葉で部活が締めく
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