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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第八話 脱出とウサミミ
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窟にいた俺らにとっては地獄なんかではない。たとえどんな場所だろうと、確かにそこは地上だった。俺はユエを見る。彼女にとっては、三百年間、求めてやまなかった光だ。オスカーも、感慨深い目をしている。

俺もなんとなく、込み上げてくるものがあり、それを声に出した。

「よっしゃぁああーー!! 戻ってきたぞ、この野郎ぉおー!」

「空気が旨い!!!」

「土とキスしたい!!!」

「コントするんじゃねえよ‥‥‥。でも、旨いな‥‥」

「久しぶりだからなあ。感慨深い」

「ユエ、嬉しそうだね」

「久しぶりの光‥‥自然の光‥‥‥嬉しい。嬉しくて仕方がない‥‥!」

「うふふ‥‥可愛いね」

俺たちは誰それ構わず抱き合い、クルクルとみんなで踊った。途中躓いてみんなで転んでしまうも、それすら楽しい。しばらくの間、人々が地獄と呼ぶ場所には似つかわしくない笑い声が響き渡っていた‥‥‥。

ようやく全員の笑いが収まった頃には、すっかり……魔物に囲まれていた。

「さて‥‥殺りますか。魔法は使えない場所だったはずだから聖とユエは下がってて」

「はーい」

「んっ」

「っしゃあ!行くぜオラァ!記憶消し飛べやこの野郎があ!!」

「ヒャッハーーーー!戦車撃てえ!!!」

「オラオラァ!後退ってんじゃねえぞゴラァ!!」

「あ‥‥俺の出番ないな」

「僕の出番もないよ‥‥凄いなあ」


数分のうちに周りにいた魔物はもれなく肉塊へと化していた。気分がHiなのは恐ろしいものだ。

「うし、それじゃあ探索するか。Ju-00とエアライドマシンっと‥‥」

俺は宝物庫‥‥指輪のことだ。宝物庫からJu-00とエアライドマシンを取り出した。

「とりあえず俺は00に乗るけど‥‥」

「あ、なら私がコウの後ろね」

「ん‥‥次は私」

「もう一機は‥‥」

「あ、それじゃあ僕が。ユエも来てくれ。聞きたいことがあるから」

「ん‥‥分かった」

「そしたら俺らはエアライドマシンな」

「拓人」

「おうよ蜂起」

俺はJu-00に乗り込んだ。後部座席には聖が乗り込む。俺は霊力を流し込んだ。

キュルキュルキュルキュルキュルキュルキュルキュル‥‥‥‥

プロペラが回りだす。そして静かに動き始めた。

「うし‥‥そろそろいいかな」

俺はググーと操縦桿を引く。すると浮かび上がった感覚が身体を包む。

「うわあー‥‥凄いなあ」

後ろで聖が感嘆の声をあげた。俺もこの感覚は好きになりそうだ。俺はスロットルを全開にして速度を出す。速度もある程度出てきたら脚も収納する。そして、片手で操縦桿を握り、もう片方の手で錬成を始めた。俺はここ最近作り始めた物があるので、そ
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