第五話 最愛との再会
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ペロリと唇を舐める。その仕草と相まって、幼い容姿なのにどこか妖艶さを感じさせる。どういう訳か、先程までのやつれた感じは微塵もなくツヤツヤと張りのある白磁のような白い肌が戻っていた。頬は夢見るようなバラ色だ。紅の瞳は暖かな光を薄らと放っていて、その細く小さな手は、そっと撫でるように俺の頬に置かれている。
(うわお‥‥)
「……ごちそうさま」
そう言うと、ユエは、おもむろに立ち上がりサソリモドキに向けて片手を掲げた。同時に、その華奢な身からは想像もできない莫大な魔力が噴き上がる。聖に匹敵するレベルだ。黄金色の魔力が辺りを照らす。
神秘に彩られたユエは、魔力色と同じ黄金の髪をゆらりゆらゆらとなびかせながら、一言、呟いた。
「蒼天=v
その瞬間、サソリモドキの頭上に直径六、七メートルはありそうな青白い炎の球体が出来上がる。
直撃したわけでもないのに余程熱いのか悲鳴を上げて離脱しようとするサソリモドキ。
だが、奈落の底の吸血姫がそれを許さない。ピンっと伸ばされた綺麗な指がタクトのように優雅に振られる。青白い炎の球体は指揮者の指示を忠実に実行し、逃げるサソリモドキを追いかけ……直撃した。
「グゥギィヤァァァアアア!?」
サソリモドキがかつてない絶叫を上げる。明らかに苦悶の悲鳴だ。着弾と同時に青白い閃光が辺りを満たし何も見えなくなる。
しかしこれは、絶好のチャンスだ。俺は榴弾を六発撃ち切る。もちろん目くらましのためだ。
ドガアンドガアンドガアンドガアンドガアンドガアン!!
連続して爆発音も響くが、スルーして弾を変える。今度は徹甲弾だ。鉛玉よりも硬く、鋭くなっている。貫通能力がとんでもなく、数百体の魔物を一発で貫通する。
そんな徹甲弾を換装し、爆風が晴れるのを待つ。まあ気配感知で位置は分かるのだが、確実性を持たせるためにも待つことにした。
やがて爆風が晴れる。現れたサソリモドキは、背中の外殻を赤熱化させ、表面をドロリと融解させて悶え苦しんでいた。
もちろん絶好の大チャンスを逃すつもりはない。
「あばよ」
ドガアン!!
俺はサソリモドキを正面から狙撃した。一瞬で風穴が開く。徹甲弾はサソリモドキを貫通し、そのまま壁ごと突き破ってどこかに飛んでいった。
ドサリ‥‥
サソリモドキが前のめりに倒れた。完全勝利だ。この勝利は、ユエが大きく貢献している。
「凄えなおい。あんな魔法始めてみたぞ」
ハジメが驚いた顔で駆け寄る。拓人たち三人も駆け寄ってきた。
「ありがとう‥‥でも、聖も凄い」
「ふえ?」
「破壊なら誰でもできる‥‥でも、聖は修復も難なくできる」
「修復‥‥ああ!撃墜されたクロスビットを治したやつね!」
「
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