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雲に隠れた月は朧げに聖なる光を放つ
第四話 奈落の底
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00秒][+瞬間停止]・巻き戻し[4年][+未来具現化4年]・霊力変換・全属性適正・暴走[+覚醒]・魔力操作・魔力自動回復・護身術・徒手空拳適正・マイナスG耐性・空間制圧能力・身体能力強化・射撃・威圧・言語理解・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]

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新しく追加された技能、天歩は文字通り天を歩く能力である。天を歩くのは空力で、縮地は高速移動のことだ。

この能力は、俺たち四人全員が保持している。とりあえず俺たちは、縮地を使って高速移動をしながら爪熊を探す。

爪熊は案外すぐに見つかった。どうやら食事をしていたらしく、辺りにはウサギの残骸が飛び散っている。

「んじゃ、俺が瀕死まで追い込むからコウはトドメよろしくな」

「はいよ。頑張れよー」

呑気に送り出す。その後、しばらく激闘の音が聴こえた。俺は欠伸をして聴き流す。どのぐらいそうしてただろうか‥‥。

「おーい。トドメ頼むわ」

ハジメから声がした。爪熊の左腕を食べながらトドメを催促している。

「あいよ」

俺は爪熊の頭部に狙いを定める。どうやら纏雷をまともに喰らったらしい。身体が痙攣している。

「ま、俺たちを襲った罰さ。あばよ」

ドガアン!!

俺はツェリスカの引き金を引いた。狙い狂わず弾丸は爪熊の頭部を撃ち抜いた。貫通して壁ごと崩壊してるが。

「うっひゃあ。やっぱり強いや」

俺は死亡した爪熊を咀嚼しながら改めてツェリスカの強さに感心した。

「あ、そうだ‥‥」

俺はおもむろに手を聖にかざす。ハジメたちは怪訝そうな顔をしてるが、スルーだ。

「‥‥巻き戻し!!」

聖が死んでから、今年で4年目。そして、俺の巻き戻しの効力も4年。俺は彼女を生き返らせるべく、力を全力行使した。

聖の身体に時計が現れた。ハジメたちには、虚空に時計があるように見えるはずだ。俺はさらに能力を行使する。すると‥‥。

カチッ‥‥‥カチッ‥‥カチッ‥カチカチカチカチカチカチ‥‥

時計の針が、逆時計回りに動き出した。俺は、既に必要はないが、あえて二度目の詠唱を行う。

「時計の針よ、回れ!回れ!時よ!過去に戻りたまえ!全てを超越し、過去の姿を具現化せよ!今一度、我の前に現したまえ!
‥‥リバースタイム!!」

光が、辺りを包んだ。時計の針はゆっくりと動きを止める‥‥。

‥‥姿が具現化し始めた。俺は別の能力の行使を準備する。



身体が、再構築し終わった。ただし、小学生のままだ。そこで別の能力を行使するというわけだ。

「時計の針よ!回れ!回れ!時よ!未来へ進みたまえ!全てを超越し、未来の姿を具現化せよ!今一度、我の前に現れたまえ!
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