第8章:拓かれる可能性
第234話「可能性の半身」
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先程までは戦闘技術が低い神だったからこそできた事。
白兵戦に持ち込み、隙を突かなければ出来ないため、その白兵戦に強い神が相手では、むしろ不利になる。
「今度は、白兵戦に対応しつつ、理力で“領域”を削るしかないわ」
「……となると、俺は援護だけか」
「ええ。頼りにしてるわ」
剣を矢に変え、帝は弓矢を構える。
そこへ、いくつもの槍が飛来した。
「標的確認……エア、撃ち落とせ!」
〈はい!〉
矢を放ち、投影魔術で剣を射出する。
さらに、制御と捕捉をエアに任せて槍を撃ち落とす。
「ふっ!!」
その間に、肉薄してきた神による槍の一撃を優奈が逸らして捌く。
「(俺が出来るのは飛んでくる槍を撃ち落とす露払いだけ!神相手に白兵戦で競り勝てると思うな!なまじ勝ったとしても、それで倒しきれる訳じゃない!)」
帝は心の中で自分の役割を再確認する。
飽くまで自分は優奈の援護をするだけだと、妨害を防ぐために行動するのだと。
「ッッ……!」
いくつもの金属音を響かせながら、帝は武器を飛ばし、槍を撃ち落とす。
遠くに見える“天使”の数は僅か三人。
神本人が単独で肉薄してきた所を見るに、“槍の性質”持ちは計四人だけだろう。
近くの他の神や“天使”は、先程全滅させた。
「(数が少ない今だからこそ……チャンス!)」
投影魔術で槍を相殺しつつ、矢を放つ。
エミヤの力がある帝であれば、その矢は寸分違わず“天使”の額に当たる。
さらに二射、三射目と放つが、その二発は槍で弾かれた。
「(防がれた。けど、その間に……ッ!?)」
牽制にはなっただろう。そう考えて帝は優奈の方へ視線を向ける。
だが、そこには神一人に苦戦する優奈の姿があった。
「(恐ろしく速い上に、重い!単純に槍捌きが上手い……!)」
穂先を逸らし、受け流す。同時にカウンターを繰り出す。
しかし、すぐに槍がそのカウンターを防ぐ。
一手一手が堅実且つ鋭く、カウンターすらも防げるように立ち回っていた。
ならば厄介な槍を奪えばいいと、優奈は試す。
しかし、奪おうとした瞬間にその槍は消え、別の槍を手に取って攻撃してきた。
単純に白兵戦が強く、このままでは長期戦になると思われた。
「『優奈!!』」
「っ!」
帝が念話で呼びかけ、“天使”達への牽制を続けつつ王の財宝を展開する。
そこから、巨大な剣……千山斬り拓く翠の地平を射出する。
すぐさま優奈はバク宙の要領でその上に乗るように躱す。
そして、そのまま神へとぶつけようとした。
「ぬっ!?」
だが、神はあっさりとそれを下へ逸らし、同じく乗る。
「ぉおおお
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