第8章:拓かれる可能性
第234話「可能性の半身」
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んなのを表に出していたら、ねぇ?」
「くそっ……!」
“熱の性質”を持つ神である男が悪態をつきつつ、熱気を収める。
あまりにも帝の魔法と相性が悪いため、その判断は間違っていない。
だが、それは悪手だった。
「生憎、代償なしに倒せるなんて思ってないのでね」
「ぐっ……お前……!?」
肉薄した優奈が、神の体に手刀を突き刺す。
それだけでは、神を倒す事は出来ない。それは優奈も神も分かっている。
それどころか、“性質”によって体内に熱を集中され、優奈の手が焼ききれる。
その上で、優奈は手刀から理力を全力で放出した。
「が、ぁあああああああっ!!?」
「手一つで一撃で倒せるなら、使わない訳ないでしょう」
“領域”に直接干渉し、一気に倒す。
相手の“領域”に踏み込むため、優奈もただでは済まない。
“熱の性質”によって、優奈の右手は一時的に焼け落ちた。
「貴方達には代償はいらないわ。今ので、どういった力か理解したから」
「ッッ……!?」
それだけで優奈の攻撃は終わらない。
残った“天使”に対し、理力のレーザーを放つ。
攻防一体の“領域”を持つとはいえ、戦闘技術があまり高くないのか、“天使”達はほとんどが避けきれずに食らう。
「帝!」
「ああ!」
優奈が追撃として、理力を体に浸透させるようにぶつけていく。
同時に、帝が剣を飛ばして牽制し、反撃をさせないように立ち回る。
「(同じ理力を使えるのなら、容易にこちらの“領域”へと引きずり込める。……つまり、地球の、他世界の戦闘の法則に引きずり込んで、倒せる!)」
理力を込めた掌底や、剣による一撃などで、“天使”達はどんどん倒れていく。
耐えても追撃を二発も食らえば倒れていた。
今までどれほど攻撃を叩き込んでも倒せなかった神界の神や“天使”が倒せるのは、優奈が無理矢理地球や他世界の戦闘の法則に引きずり込んでいるからだ。
ただの物理的な戦闘で、強く影響を受けるように概念を上書きしている。
神界についてかなり理解を深めた優奈だからこそできた事だ。
「このっ……!」
「(白兵戦に切り替えてきた……それは正解。でも、悪手ッ!!)」
熱を集束させ、某ライトセーバーのように振るってくる“天使”。
だが、それこそが優奈が狙った事。
近接戦に限れば、優奈に敵う者などほとんどいない。
「ッ!」
「ごっ……!?」
カウンターの掌底を食らい、体が浮く。
そこへ、いくつもの剣が飛んできて体が串刺しとなる。
ダメ押しのように帝の剣も刺さり、最後に理力の塊で押し潰された。
「……まずは、一人」
これで、“熱の性質”を持つ神とその眷
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