第8章:拓かれる可能性
第234話「可能性の半身」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れるとは思っていないわ』」
「……逃したか」
尤も、優奈にとってはそれは目晦ましに過ぎない。
瞬間移動を用いて、優奈は帝と共にその場から消えていた。
「まだまだ来るわよ!」
「ああ!」
移動した優奈と帝は、そのまま遠くから攻撃してきた神へと迫る。
捕捉したのは重圧を放っていた神と、熱線を放ってきた神だ。
当然のように重圧で動きを阻害され、熱線が弾幕のように放たれてくる。
神本人だけではなく、“天使”達も同じようにしてくる。
「(帝を追っていた神はいくつかのグループに分かれている。……各個撃破していけば、確実に数は減らせるはず……!)」
「(体が重い……だが、そんなの関係ねぇ……!生きて帰るんだ!そのためにも、目の前に立ち塞がる敵を倒す……!)」
動きを阻害されてるにも関わらず、優奈と帝は攻撃を避け続ける。
優奈は“可能性”を繋いでいくために。
帝は、生きて帰るために、“意志”を強く持つ。
呼応するように、優奈からは理力が、帝からは魔力が強く放たれる。
「先行するわ。上手く援護して!」
「分かった!」
先に優奈が瞬間移動で熱線を放っていた神に肉薄する。
優奈は神界の神の記憶があるため、距離などを意図的に無視できる。
それを利用して、一瞬で間合いを詰めたのだ。
「ッ……!やっぱり、“熱の性質”ね!」
肉薄した瞬間、優奈の体を灼熱地獄の如き熱が襲う。
熱線を放っていた神は、優奈の予想通り“熱の性質”を持っていた。
それにより、その神の周囲は通常なら無事では済まない程高熱だった。
「くっ……!」
いくつもの武器を創造して、その神にぶつけようとする。
だが、届く前に全て高熱によって熔けてしまう。
「(厄介ね……熱気の範囲がそのまま“領域”になってる。攻防一体の“性質”……どうやって破るか……いえ、策は考えない!)」
理屈で考えてもどうしようもない。
即座にそう判断を下し、優奈は理力をそのまま放つ。
力の塊でしかない理力であれば、熱気のバリアは無効化できる。
「“天使”が集まって相乗的に“領域”が強まっている……でも」
「エア!世界を切り裂け!!」
「もう一人、忘れちゃダメよ?」
―――“カタストロフ・エア”
世界を裂く一撃が“天使”を襲う。
宝具である天地乖離す開闢の星と違い、その威力は格段に低い。
だが、世界を裂く概念効果はあり、“格”の昇華で神界に通じる今、熱気を“領域”として展開する神に絶大な力を発揮する。
「なっ……!?」
「単純にぶつけるのではなく、文字通り“世界を裂く”。“領域”はその者にとっての“世界”。そ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ