暁 〜小説投稿サイト〜
ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-3 非道なる刹那
[9/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
よ!」
カンナがさくらを守ろうと飛び出し、後ろから蹴りを放ってきたが、それさえも刹那は見切っていた。後ろから飛び蹴りを放ってきたカンナの方へ振り返り、姿勢を低めてスライディング回避。空振りに終わったカンナの蹴りは、逆に助けるはずだったさくらの光武を蹴飛ばす羽目になった。
「きゃ!!」
「わ、悪りぃさくら!大丈夫か!」
「そうやってすぐに飛び出すから、もう!」
すみれが見てられないとばかりに、今度は自らも薙刀を持って刹那に攻撃を仕掛けた。蒼角は、繰り出されるすみれの薙刀の連撃をひょいひょいとかわしていく。刹那の小柄さを生かしたすばしっこさを再現しきっており、一撃もかすることさえなかった。
「この、大人しく…!」
すみれがいい加減当てなければと速度を上げていくが、刹那にはまだ余裕があった。すみれが自身の限界まで薙刀を素早く振るっても、さらにもっと早く動いて彼女の斬撃を紙一重で避けていく。
「はっはっは!!どうしたの?一撃も当たってないよ!?」
「この…!」
すみれの中でさらに焦りが高ぶっていく。次第に薙刀を振るう速度も弱まり、すみれの体力にも限界が近づいたことで動きにも乱れが生じていく。
「そぉら!!」
「きゃあ!」
それも見逃さなかった刹那が、目をクワッと見開く。すると、目に見えない衝撃がすみれの光武を襲い、彼女を遠くへと吹っ飛ばす。さらに追撃を仕掛けようと刹那がすみれの光武に急接近しようとすると、マリアの銃撃が蒼角の足元に次々と突き刺さる。
しかし刹那は全く焦らなかった。それどころか、今のマリアの心に踏み込むようないやらしい声で指摘を入れてきた。
「やっぱり心が乱れてるね…マリアお姉ちゃん?照準が定まってなかったよ?」
「!」
「冷静さを保っていたら、蒼角の操縦室内の僕を狙って撃つこともできたんじゃないの?
やっぱり…忘れられないのかな?
大好きだったのに、ずっと昔に死なせてしまった…」
「…まれ…」

「愛しい愛しいユーリー隊長さんのことがねぇ!?」

「黙れぇえええええええええ!!!」
完全に冷静さを失ったマリアが、蒼角に向けて銃撃を連発していった。だが、刹那が指摘した通り乱れすぎた銃撃。周囲への被害を顧みない攻撃のせいで、築地の廃屋街の倉庫がいくつもボロボロになっていった。刹那はマリアの銃撃を避けていくと驚くべき行動をとる。
「ま、マリアさん落ち着いて…ひゃあ!!」
なんと、蒼角がさくらの光武をつかみ上げると、それを自らの盾としたのだ。
「な!!」「さくら!」
今度はさくらを人質に取るつもりか!?さらにこちらの焦りを促してくる刹那の卑劣な手口に対する怒りを募らせていく。
「は、放せ…!!」
「じゃあこのお姉さんもらってくよ。よく言うでしょ?ゲームで負けた奴は大切なものを勝者に差し出さなければ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ