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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-3 非道なる刹那
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を細切れにしたらどうなるか…なぁ!?」
刹那は瞬時に蒼角に乗り込み、加山を宙に放り投げた。そして、加山の体をバラバラにしてしまおうと、爪を研ぎ澄ませた蒼角の右腕を振り下ろした。
「やめろぉ!」
ほぼ無意識だった。大神は飛び出し、光武の右の刀で蒼角の爪を防ぎ、左腕で加山を受け止める。
だが、下腹に大きすぎる隙ができてしまう。
「隙を見せたね!」
刹那が見逃すはずもなかった。残った左腕のモーニングスターを、大神の光武の腹部へ叩き込んだ。高台から鉄の塊が落ちたような凄まじい金属音と共に、蒼角の腕がめり込んでいった。
「ぐはっ…!」
大神の乗る光武は、その一撃によって近くの電柱に激突してしまう。
「大神さん!!」
「少尉!!」
「隊長!!」
「…!!」
翔鯨丸の中でも、大神が倒されたことで動揺が走っていた。
「大神さん!!」
「大神!!」
「お兄ちゃん!!」
なんということか。人質を取ってきて、こちらの好きを強引に作り出すとは。敵が人質をとってくることは想定されていたことなのだが、まさか月組隊長を人質に取ってくるとは予想外だった。
「お、大神機、今の一撃で起動停止しました!敵機が接近しています!早く救援を!!」
いち早く的確に対策を打診したかすみが、通信越しに花組へ伝達した。
絶叫する花組をよそに、刹那は蒼角を、意識を失った大神の光武の前へ向かい、彼へ止めを刺そうとする。
「バカだねえ、たかが人間一人のために殺されに来るなんてさ」
刹那は、大神に近づくさ中、ちらっとマリアの方を見た。
感じる…彼女の心の乱れを。本来このタイミングでなら、マリアは刹那の妨害のための狙撃を仕掛けるはず。だが、刹那は読み取っていた。彼女が今、頭の中に過らせたヴィジョンを。
(くっく…予想通りだね。忘れられないんだ…)
光武の中で、大神が撃破されて硬直したままのマリアを覗き見て刹那は口角を釣り上げた。いいぞ、そうやって心の乱れをさらに加速させるんだ。楽しそうに笑う刹那の耳に、直後に叫び声が聞こえてきた。
「てめえ!」
「よくも大神さんを!許しません!」
人質を取って隙を無理やり作る。正義感の強い大神の心を利用した、刹那の卑劣なやり口に…何より大神を傷つけられて真っ先に怒りをあらわにしたのはさくらと、そしてカンナだった。
二人が大神の仇を討とうと蒼角に向かっていくのを見て、マリアはようやく我に返った。
「二人とも、待ちなさい!」
まずい。大神が倒れたことで、ただでさえまだ整ってない陣形がさらに乱れてしまっている。
マリアが引き留めるが二人の耳に届かない。さくらが刀を振りかざしたが、刹那には既に読まれていた。すぅ、と一歩後ろに下がっただけでさくらの一撃を避け、反撃にかぎ爪を振りかざそうと腕を振り上げる。
「させっか
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