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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-3 非道なる刹那
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活躍に盛り上がっていた。
「頑張れ、お兄ちゃん!」
アイリスもまた黄色い声援を大神に送っていた。
…が、ジンと米田は無言だった。訝しむようにモニターの向こうに見える花組と脇侍たちの戦闘を見つめている。
「妙だ」
「え?」
ふと口を開いたジンの一言に、風組やアイリスは目を丸くする。
「お前も気づいたか?」
米田がジンに視線を向けると、ジンは頷く。
「脇侍が、前と比べてあっさりとやられ過ぎてる…」
「え?でも、カンナさんも加わりましたし、大神さんたちだって強くなったはずじゃ…」
椿が考えすぎではと言うが、米田は見解を崩さない。
「確かに大神たちは強くなった。カンナも戻ってきて戦力も高まったのは確か。だが…」
改めて、彼はモニターから見える脇侍たちの動きを、やはりか、と呟きながら観察する。
「脇侍たちがどれも前に出過ぎてる。まるで、脇侍たちは倒される前提で戦ってるみたいだ」
そんなまさか、と思うものの、経験の深さが華?団一の米田の言葉は深く根付いた。
一方で、米田はもう一つ気にしていることがあった。
屋根裏部屋の資料の山をあさっていたことで知った、脇侍のルーツ。
江戸時代以前を描いた資料でも存在が確認されていた脇侍。そしてそれを操る謎に満ちた存在。
(築地の脇侍を操っている奴も、あの資料で描かれた奴と何か関係があるだろうな…)
月組に調べさせる必要があるな。今回の戦いが終わった後で、米田は心の中で次にとるべき行動を定めた。



「追い詰めたぞ!」
ついに自らの一刀のもと最後の脇侍を倒し、大神たちは刹那と対峙した。
「ちょっと、時間かかりすぎじゃない?」
ふあぁ、と緊張感のないあくびを漏らす刹那。そのなめた態度に、カンナやすみれが噛みつくような目を向ける。
「あくびとはずいぶん余裕ですのね」
「バカにしやがって…隊長、とっととこいつも片付けてやろうぜ!」
血気を逸らせるカンナが、大神に攻撃命令を出すように促す。
「ああ、だがみんな落ち着いてくれ。冷静さを保って攻撃しよう」
敵の態度に神経を逆撫でされて冷静さを書けばそれこそ敵の思う壺だ。大神はみんなに冷静でいるよう重々呼び掛ける。
だがこのあと、刹那は指を鳴らし、大神からもそれを奪うものを見せつけた。
「これを見ても冷静でいられるのぉ?」
「な…!」
大神たちは目を見開いた。刹那の元に、脇侍たちよりもさらに大きな機体が、地面から溢れ出た闇の中から姿を現した。
魔装機兵・蒼角。蒼き刹那の機体だ。
しかし大神たちが注目していたのは、蒼角がその手に捕まえている人間だった。黒い戦闘服を着たマスクの男…月組の加山だ。
『大神さん、あの人は月組の隊長さんよ!!』
「何!?」
通信越しに由里から聞いた大神は驚愕する。
「さあて…君たちの前でこの人
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