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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-3 非道なる刹那
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に首が180度回転したりとか…ふふふふ、大道芸として見せたら面白そうだね」
「貴様…!!」
人間、それも仲間の死体をおもちゃとしか思わない言動に、月組隊長は怒りが込み上げてきた。自分は手負いとはいえ、今すぐにでも刹那を絞め殺したいとさえ思えてきた。
「そんなに怒らないでよ。今度は君で楽しませてあげるからさ…加山君?」
「!!?」
こいつ…なぜ俺の名前を!?月組隊長は絶句する。月組隊長の正体、それは以前、上野公園でジンやさくらが会った、大神の海軍士官学校時代における友人の『加山雄一』だったのだ。
動揺する彼に向け、刹那は説明を加えてきた。
「あぁいいよ。別に喋らなくても。心を読めばすぐにわかることだからさ。
帝国華撃団・隠密部隊『月組』の隊長…加山雄一。花組隊長の大神一郎の同期にして親友。なるほどね…霊力もそれなりにあって、それも大神一郎とは親しい…だから選ばれたってわけなんだ」
そこまで言い当てて見せた刹那に、加山は戦慄する。
相手の心を読む。隠密部隊を率いる自分にとって、こうして対峙すること自体がまずい。刹那にも圧倒されている以上、すぐに撤退して身を隠さなければならない。
「逃げるくらいなら鬼ごっこで遊ぼうよ?スリル満点で楽しいよ?」
撤退を考慮したことさえ読み取った刹那が近づいてくる。
こいつ相手にうまく逃げられるだろうか?加山は銃を構え、確実に逃げる算段を考える。まだ花組は来ないのだろうか?もう住民の避難は完了している。後は、親友が隊長となったあの部隊が一刻も早く来てくれることを願うばかりだが。
「そうだねぇ、僕も弱い人とばかり遊ぶのもつまらないと思ってたんだ。でもいいさ。今度は…例の赤い巨人さんとか、帝国華撃団・花組が…マリアお姉ちゃんが来るまで、加山君で楽しませてもらうさ」
(マリアさんだと…!?)
またしても心を読んできた刹那の言動に、加山は困惑した。花組全体ならまだしも、なぜ…マリア個人を名指しした?意味がわからなかったが、少なくともまともな理由ではないことだけははっきりした。
マリアが狙われていることも含め、なんとしても撤退しなければ。
すると、刹那は頭上を見上げて気の抜けたような声を漏らしてきた。
「…あらら、もう来るんだ」
「!」
加山も頭上を見上げると、待ち望んでいたものが空から飛来してきたのを見た。
浅草の地下に隠れていた、武装飛行船『翔鯨丸』。頭上にそれが飛来したと同時に、翔鯨丸のハッチが開かれ、5つの影が加山の前に落下した。

「帝国華撃団・花組!参上!!」

(助かったぜ大神!持つべきは親友だな!)
大神たち花組の搭乗する光武が目の前に並んだのを見て、加山はこれから始まる戦闘に巻き込まれぬよう、すぐにその場から離れだした。
刹那は獲物の来場に笑みを浮かべた。
「やっときた
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