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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-3 非道なる刹那
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われたかのように後ろへ吹っ飛ばされ、彼の背後に建っている倉庫に追いやられる。
「舟木!!」
月組隊長が、隊員の名を叫ぶ。
今の衝撃で吹っ飛ばされた舟木隊員は、外からの日のささない暗い倉庫の下敷きになっていた。なんとか辛うじて這い上がり、今の自分の場所、そして敵である刹那の姿を確認しようと周囲に目を向ける。外からの光は、入口と、隣にある、自分が吹っ飛ばされたことで出来上がった壁の穴から差し込まれている。だが穴と入り口の方に、刹那の姿はない。月組隊長の目の前からいつの間にか移動をしていたのだ。
舟木は銃を構え、周囲の暗闇の中もくまなく見渡して刹那の姿を追うが、やはり見当たらない。一体どこへ隠れたのか。
ふと、舟木はあるものを目にした。
倉庫の中に、ひとりでに何か物音がするのが聞こえた。刹那がそこから狙っているのかと警戒し、舟木は銃を向ける。だがそこにいたのは刹那ではない。
大人しそうな、まだ10歳にも満たない幼い男の子だった。
「君、大丈夫かい?」
「あ、う…」
さっきまでこの築地に脇侍があふれ、人を襲っているのを目にしたせいだろう。男の子はひどく怯え切っていた。舟木はすぐに男の子を守るべく、彼の傍らに駆け寄る。
「いいかい、おじさんの傍から絶対に離れるんじゃないぞ?必ずお父さんとお母さんのもとに帰してあげるからね」
「うん…ありがとう」
男の子は舟木の服を掴んできた。少しでも頼れる誰かにすがって恐怖心を和らげようと思っているのだろう。
…そう思っていた。
グサッ!!
「がは…?」
舟木は、背後から突き刺さる激痛に襲われた。振り返った舟木が最期に見たのは、ニヤッと不気味な笑顔を浮かべて、自分の背中に手を突き刺してた子供……否、刹那の無邪気ながらも邪悪な笑顔だった。
「舟木?どうした舟木!!」
月組隊長は、今だ舟木が外へ出てこないことに違和感を覚え、舟木へ呼びかけを図った。だが返事は帰ってこない。
「舟木、返事をしろ!!」
再び月組隊長が舟木に向けて呼びかけると、ようやく舟木が外へと姿を現した。部下の無事を確認し、ほっと一息つくが、その安心は僅か一瞬のことだった。
現れた舟木の体は、胸元に風穴を開けられ、血塗れになっていた。加山に手を伸ばしながら、舟木はどさっと倒れてこと切れた。
「ふ、舟木ぃ!!!」
「あ〜あ。子供だからって油断したのが命とりだったね。ちょっと変装しただけで僕だって気づかないなんて。
ま、おかげで楽しく殺してやれたからいいんだけど」
続いて倉庫の奥から姿を見せたのは、探していた刹那だった。血が滴り落ちる爪の鮮血を舐めとりながら、舟木の死体を見下ろし、足蹴にする。
「次はどうやって遊ぼうかな?この舟木って叔父さんの体に糸を繋げて、操り人形にして遊ぶのも面白いかも。無限
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