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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
4-3 非道なる刹那
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今回は米田も話した通り、轟雷号ではなかった。
操作盤を操作、花組の乗る光武が轟雷号に登場する時と同じく、レールを通して今自分たちが乗っている機体へ収納した。
そしてその頃、浅草・雷門前。
『緊急警報、緊急警報!付近の住民の方は直ちに避難してください!』
大賑わいだった浅草だが、かすみの声で発せられたその警報で一気に住民たちの警戒が高まった。また脇侍などの怪蒸気や、例の巨大降魔が出現したのではと騒ぎ出し、雷門の周辺から逃げていく。
次々と人々が避難していくと、雷門通りに衝撃的な事態が起きた。
「み、見ろ!地面が…!」
男性の一人が、離れた地から雷門通りを指さして大声を上げる。
信じられないことだった。雷門通りの地面が、通りの建物ごと、箱のふたを開くように次々とひっくり返っていったのだ。
帝劇本部からモニター越しにそれを確認しつつ、風組は次なる作業に入る。彼女らが操作を続けていると、ひっくり返った雷門通りの地下にむき出しとなった、広大な鉄板が二つに分かれて開かれる。
開かれた地面の下から現れたのは、雷門通りよりもさらに巨大な飛行船だった。街の人たちは、地面から突然バカでかい鯨が現れたと仰天し、騒ぎ出した。
これが、轟雷号では届かないルートへの出撃対策として帝国華撃団が保持している武装飛行船『翔鯨丸』である。
「空路確保!」
椿がかすみ、由里に目を合わせ、二人も頷く。
「「「翔鯨丸、発進!!」」」
雷門通りの空から飛び立った翔鯨丸は、築地方面へと向かって進行を開始した。
「なんだよ、意気込んでた割にお兄さんたち弱いねぇ」
「く…」
「でも意外。君たちの服、特別製みたいだね。僕の爪なら手足を簡単に撥ね飛ばせるのに」
築地の戦場では、すでに月組が刹那と接触、交戦していた。だが、刹那の方が彼らよりも遥かに強大だったため、手も足も出せなかった。刹那の後ろにも脇侍はいるが、一体も月組に攻撃を仕掛けてこない。刹那に遊ばれているのだ。脇侍は刹那の護衛の役目を担っているのだが、脇侍がなくとも月組の霊力では刹那の敵ではなかったのだ。
「ねぇ、せっかくこっちが手加減してあげてるんだから、もっとあがいて僕を楽しませてよ?」
刹那は、目の前で跪く月組隊長を見下ろしながら、その顔を爪でなぞってほくそ笑む。軽く爪で撫でただけなのに、マスクの上から月組隊長の頬に切り傷が出来上がっていた。
「隊長!!」
そんな月組隊長の危機を救おうと、一発の銃が刹那と月組隊長の間を突き抜ける。邪魔をされて期限を損ねてたからか、不満げに少し顔を歪めた刹那が右を向くと、一人の月組隊員が刹那に銃を向けている。
「っち、雑魚のくせにいっちょ前に……」
刹那は前髪に隠れたその目をクワッと見開く。すると、銃を向けてきた隊員が突然、突風に襲
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