第四章
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「それだと」
「だからだ」
「ジョンが危なくない様に」
「これからは駐車場の方にいてもらう」
「そうするのね」
「そしてだ」
「声もよね」
「今よりもずっと声をかけてだ」
そうしてというのだ。
「ジョンに教えてあげるんだ」
「危ない時とか」
「他にも家族が来た時にもな」
「何時でもなのね」
「声をかけていくんだ、いいな」
「わかったわ、私絶対にそうするから」
妙は父に約束した、それは妻も同じだった。
家族はジョンにしきりに声をかけて目が見えなくなった彼を助けていった。最初はジョンも目が見えなくなったことに苦労したが。
家族の声を聞いて動く様になった、それでそれに慣れていき。
何時しか家族の言葉で動く様になった、そしてリリも。
何かあるとジョンに声をかけるようになった、妙がご飯を持ってきた時に。
「ワン」
「ワン」
ジョンは自分の隣から言ってきたリリに応えてだった。
妙をきちんと座ってリリと共に待った、リリはそれを見つつジョンそしてリリに対して笑顔で声をかけた。
「ジョン、リリ、ご飯よ」
「ワン」
「ワン」
「リリご苦労様」
妙は二匹にそれぞれのご飯をあげながらリリに笑顔で話した。
「ジョンに教えてくれて」
「ワン」
リリは妙の言葉に明るい鳴き声で応えた、それだけだったが。
妙はリリが返事をしてくれたと解釈してご飯をあげた後で家の中に戻って母に話した。
「お母さん、今日もリリがね」
「ジョンに教えてくれたのね」
「そうしてくれたの」
「リリは偉いわね」
「そうよね、本当にね」
「家族の誰かが身体の何処かが悪いと」
その場合はとだ、母は娘に話した。
「その時はね」
「皆で助けることね」
「そうするものでリリもね」
「家族だから」
「そう、ジョンを助けてくれているのよ」
「凄いね、犬もそうしてくれるの」
「そうよ、だから私達人間もね」
母は娘にさらに話した。
「家族に何かあったらね」
「助けないといけないのね」
「皆で助け合って」
そしてというのだ。
「やっていくものよ」
「それが家族なのね」
「そうよだ、だから私達はリリと一緒にね」
「これからもなのね」
「ジョンを助けていきましょう、いいわね」
「そうね。ジョンは目は見えなくなったけれど生きているから」
だからだとだ、妙は自分の母の言葉に応えた。
「それじゃあね」
「ジョンを助けていくわよ」
「皆でね」
「私達もジョンに助けてもらっているでしょ」
「一緒にいたら嬉しいし番犬にもなってるし」
「だからね」
そのジョンにも助けてもらっているからだというのだ。
「ジョンを助けていきましょう」
「皆で」
「それでいいわね」
「うん、皆で助けていこう
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