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提督はBarにいる。
冬の鍋パ!・その3
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プリカはヘタとワタを取って切っておく。長ねぎは斜め切りに、キャベツとレタスは芯を取ってざく切り。芽を取り除いて薄切りに、セロリは葉の部分を切り落として筋を取り、みじん切り。玉ねぎもみじん切りにしておき、ホールトマトは粗めに潰しておく。

 海鮮の下拵えの前にスープのベースになる出汁を取るぞ。鍋に水を入れ、そこに野菜の下拵えで出たキャベツの芯やセロリの葉等の野菜くずを入れて強火で煮る。これは無駄を減らせる上に美味しい出汁が取れるから、普段の料理の時からオススメのテクニックだぞ?鍋が沸騰してきたら中火にして10分程煮たら、キッチンペーパー等で濾す。

 野菜出汁を取っている間に海鮮の下拵えも済ませる。タラは食べやすい大きさに切り、臭いが気になるなら軽く塩と酒を振っておく。エビは殻を剥いて背ワタを取り、大きいようなら一口大に切る。カニとホタテは特に下拵えは要らんが、ホタテの肝が気になる人は取っておこう。

 野菜の出汁が取れたらスープを作っていくぞ。食卓に置く鍋とは別の鍋(金属製推奨)にオリーブオイルを引き、ニンニクを炒める。香りが立ってきたら玉ねぎ、セロリ、赤唐辛子を加えて更に炒める。野菜が透き通ってきたらホールトマト、トマトピューレ、白ワインを加えて軽く煮込む。煮立って来たら野菜出汁を加えて延ばしておく。

 食卓に置く鍋にレタス以外の具材を並べ入れたら、スープを注いで火にかける。煮立って来たら食べ頃だ。レタスは食べる時にサッとスープにくぐらせてやるといい。お好みで薬味を添えて召し上がれ。




「さぁ出来たぞ、『海鮮トマト鍋』だ」

 肉がないので食べ応えがないかと思いきや、トマトと魚介の旨味をたっぷりと吸った野菜だけでもかなりの満足感がある。そしてこの鍋の最大の楽しみは、なんと言っても〆だ。ご飯とチーズを入れてトマトリゾット、スパゲッティをはじめとしたパスタが合わない筈もないし、インスタントラーメンの麺と水を足して煮込んでトマトラーメンも美味い。……だが、俺がオススメしたい〆は別にある。

「あら?提督の鍋の〆はなんですか?」

「これか?ふかしたイモだ」

 そう、ふかしたジャガイモ。こいつを粗方具を食べ尽くした鍋に入れて煮立てつつ、軽く潰す。潰したイモがスープを吸って赤くなってきた所にチーズと粗挽きの黒胡椒。そして全体をかき混ぜたら焦げない内に火を止める。

「見た目は宜しくないが、これがまた美味くてなぁ」

 スープの旨味を吸ったイモに、チーズの塩気と黒胡椒のピリッとした刺激。こいつがまた酒に合うんだよ。

「うむ、確かにこいつは美味い」

「あっ、てめこら武蔵!人の鍋の〆をパクるんじゃねぇよ!」

「よいではないか。今夜は無礼講だぞ?」

「聞いてねぇよそんな話」

「何を言う
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