第五十七話 卒業式その二十三
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「じゃあまたね」
「帰ってきますね」
「はい、待ってますね」
詰所の人も言葉を返してでした、そうしてです。
三人で車に乗って出発しました、おぢばを出たところでお父さんは運転しながら私に聞いてきました。
「さっき後輩の子と話してたな」
「阿波野君のことね」
「夏に教会に来てくれた子だな」
「ええ、そうよ」
私は阿波野君にすぐに答えました。
「あの子がね」
「そうだな、あの子と毎日会ってるんだな」
「同じ高校だったし同じ大教会だし」
こうした要素が揃っていてです。
「だからね」
「毎日会っているんだな」
「不思議とね」
同じ高校にいいても同じ学年の子でも毎日そう会うとは限らないのにです、何故か阿波野君とは毎日そうでした。
「今日もだったし」
「そうか、凄いお引き寄せだな」
「そうなるのね、やっぱり」
「いい子だしな」
お義父さんはここで笑顔になりました。
「それじゃあいいな」
「いいって何が?」
「いや、千里と一緒ににいてもな」
「後輩の子だから色々教えてあげられたらね」
私はお父さんの今の言葉にこう返しました。
「いいわね」
「ああ、それはな」
「それは?」
「少し違うか」
「千里はこういうの本当に全然だから」
お母さんも言ってきました、私は後部座席にいてお母さんは助手席にいます。
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