揺籃編
第八話 昇進、そして問題発生
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最先任兵曹長は忙しい。今までは砲術科の先任兵曹長だったから砲術科の下士官兵の面倒だけ見ていればよかったのが、アウストラ所属の下士官兵全員の面倒を見なきゃいけなくなったのだ。
俺も兵曹長だから、先任兵曹には違いないのだが、兵曹長の中にもちゃんと序列がある。
俺は兵曹長の中でも一番下っぱだから、色々と雑用をこなさなければならない。いわゆるデスクワークだ。
出撃してないときはほとんどこれだ。…面倒くさい。
砲術科執務室のドアが開いた。オットーだ。
「おい、聞いたか」
「いきなり聞いたかと言われても」
「そりゃそうだな、…イゼルローン回廊のこちら側で第3分艦隊がやりあってるようだぞ」
「本当か」
「嘘ついてどうなる、痛み分けで睨みあってるらしい」
「ウチも出撃…はないか」
出撃はない。ウチの分艦隊は再編中だからだ。人員も艦艇も来ない。
さすがに最前線としては兵力が少ないと感じたのか、エル・ファシル警備艦隊の編制を変えるべきではないか、という意見が統合作戦本部で出たらしい。それで兵力を増やすか増やさないかを国防委員会と調整中なのだという。
「出撃はともかく、近所でやりあってるんじゃ再編も厳しいんじゃないか?」
「そうだろうな。退役前なのに司令も困ってるだろうよ」
『第2分艦隊司令部は第10会議室に集合せよ』
「あら。また何かあったのかな」
「どうせロクな事でもないんだろ…と、時間だ。本日も課業終了と。ヤマト、『サンタモニカ』に行こうぜ。新しいウエイトレスが入ったんだよ、知ってたか?」
「いや、知らない…というか、マイクが居なくなったからってマイクの分まで頑張らなくていいんだぞ」
「違うね、マイクが居たから俺の出番がなかっただけだよ、さあ行こう」
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