第六話:本気と本気!ラクサスVSネロ!
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…、…まぁオレたちサイヤ人の特性だな】
サイヤ人の特性、通常の人間よりも大食いで強度な体と自然回復に高い戦闘センスを持ち合わせている、戦いに向いた種族。
そんな種族に、他になんの特性が?
【これも口にすべきじゃねえだろうけどさ、サイヤ人は瀕死の状態から回復すると力を増す特性を持ってんだ。だから、オレがこうなったのもそれが理由だな】
【何…?そんな力が…?】
【本当に誰にも言わねえでくれよ?他のサイヤ人たちはまだ知らないらしいけど…知ったら知ったらで評議員とやらがうるさくなっちまうらしいからな】
【う…むゥ……】
だが、それなら何故ネロが力を増すのか。さっきの試合で死にかけていたとでも?…いや、待て。さっきこの少年が口にした言葉を思い出すんだ。
――オレなんて1分の力もなくなってたし――
つまり、魔力が枯渇していたということ。
先の試合、ネロはどれだけの力を引き出していた?己も、限界を超えんばかりの力を出し、互いにぶつかりあっていた。
ならば…そうか、魔力という生命力がなくなりかけることにより瀕死に近い状態になった、ということか?
後に思い浮かべるのは…最後に言いかけた言葉…いや…しかし。
ギクリはまだ気になることが多い。何よりも、あの回復薬となるだろう道具のことも。
何故それを万人のために、などの自己犠牲を勧めるようなことは口にしない。ネロ自身ですら、それを他人に教える気もないのだろう。
それなのに自身に使ってくれた、ならば恩を仇で返すようなことをするわけにはいかない。
だが、それでも。
【――ネロよ、感謝する。某の体を治療してくれたことを。…しかしあまり命に関わる無茶は控えてくれ】
次に挑めなくなっては困るからな。
そう付け加えるように言えば少年が罰悪そうに笑った。
【…気をつける】
(まさかあそこまでやるなんてなぁ…本当に気をつけよ)
まさか本人が命を無意識に削ってまで力を解放した等、次の再会にてギクリは知ることになるのであった。
●●●●●●●
場内の中に入ったネロはラクサスと向き合うように真正面から睨み合うような形でその場に立ち止まった。
そんなネロに対しラクサスは目を見開きながら、ネロに疑問に思ったことを問いかける。
「おめえ…怪我はどうした?」
「…魔法?だと思ってくれゃいいよ」
言えない、とネロは遠目をしかける。なにせ、彼の使った回復薬は彼の――というより、前世で彼が遊んでいたドラゴンボールのTVゲームシリーズの内、”ゼノバース”のアイテムみたいなものを使ったなんて口で言えない。みたいなというか、もう回復する時点でそれなんじゃないかと思ってしまうが
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