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ヘタリア大帝国
TURN33 マニラ攻撃その十一

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「そしてそのうえで、です」
「三つの星域を一気に占領しますか」
「そうなります」
 小澤はエルミーにも真面目に戦争のことを話す。
「そしてやがてはマレー、四国も占領します」
「問題はマレーだね」
 南雲はその街について言及した。一行は何時しか港に戻りそこで作戦の話をしていた。
「四国はまだエイリスの戦力は大したことないけれどね」
「マレーはエイリスの東南アジアにおける最重要拠点です」
 小澤はここでも冷静に淡々として話す。
「その戦力もかなりのものです」
「だからあそこには主力を向けることになるだろうね」
「そうです。私達の中でも精鋭を」
「ではレッツゴー」
 小澤はこう言っても言葉に抑揚はない。
「マレー解放です」
「では今度はですね」
「東南アジアとオセアニア全域を占領していくことになるね」
 リンファとランファも言う。日本軍は既に次の作戦に考えを向けていた。マニラで終わりはなくむしろはじまりでしかなかった。本格的な戦いの。
 そのマレーではだ。日本軍が来たという話がもう届いていた。そしてだった。
 エイリスの貴族達がだ。紅茶を飲みながらひそひそと密室で話をしていた。
「マニラが占領されたとは」
「しかも日本軍はほぼ無傷だとか」
「いや、それは何かの誤報でしょう」
「日本軍がガメリカに勝てる筈がない」
「無傷などとか」
 こう言ってだ。日本軍の勝利を信じようとしなかった。だが、だった。
「マニラを占領されたのは事実らしいですぞ」
「ではこのままインドネシアに入るのですか」
「そしてやがてはこのマレーにも」
「来るのですか」
「いや、それでもです」
 ここでだ。でっぷりと太った貴族の一人がこう言った。
「このマレーは堅固でしかも」
「駐留艦隊も多いですな」
「日本軍が来ても勝てますな」
「それも充分に」
「所詮は極東の田舎者です」 
 彼等は日本帝国を侮っていた。彼等の祖国が世界帝国であるが故にだ。
「マレーで止まりますな」
「例えインドネシアまで占領できても」
「ではそこまで危惧する必要はない」
「そうですな」
 こう話してだ。彼等は日本を舐めたまま安心しきっていた。

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