TURN33 マニラ攻撃その十
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「オーソドックスに戦っていこう」
「そうされますか」
「さて、何はともあれマニラは占領した」
このことは間違いないとだ。東郷は言った。そうしてだ。
すぐに占領政策に入る。だが、だった。
小澤はマニラの街に下りてだ。こう言うのだった。
「フィリピンさんはおられないですね」
「ああ、あの人はハワイに撤退したらしいね」
そうしたとだ。ここで言ったのは南雲だった。
「アメリカさんと一緒にね」
「そうなのですか」
「フィリピンさんはアメリカさんと友達だからね」
南雲は明るく笑って小澤に話す。
「ハワイであたし達に反撃しようというんだろうね」
「成程。折角お友達になろうと思いましたが」
「あんたはどういうお友達を考えてるんだい?」
「はい、日本さんが受けで」
今回もそうした想像に耽る小澤だった。
「フィリピンさんが攻めですね」
「やれやれ、またそれかい?」
「腐女子の妄想に境はありまえん」
無表情での含み笑いと共にだ。小澤は言った。
「そういうことです。うふふ」
「何か日本軍の提督は」
「そうよね」
マニラの街を歩いているのは小澤と南雲だけではなかった。リンファとランファもだ。
二人はその彼女を見ながらだ。こう言ったのである。
「個性派が揃っていて」
「ちょっと以上に戸惑うわね」
「私は百合もオッケーです」
小澤は二人の中華娘にはこう返した。
「そう。リンファさん攻めでランファさん受けとか」
「あの。それはちょっと」
「妄想してもらったら困るけれど」
「安心して下さい。実害はありません」
「実害とかじゃなくてちょっと」
「あたし達そうした趣味もないから」
「趣味は開拓するもの」
小澤の方が上手だった。それも何枚も。
「そう。百合もまた」
「私はあくまで男の方だけですが」
「あたしは金髪オンリーだし」
「それに加えて百合もゲット」
小澤の暴走は続く。
「いざ禁断の快楽へ」
「駄目だこりゃ」
南雲はそんな小澤の妄想に肩を竦めて駄目出しをした。
「この娘には勝てないね」
「勝てるというか何か」
「変態過ぎて困るけれど」
リンファとランファは戸惑ったままだった。
「本当に日本軍の人は個性派過ぎて」
「少し以上に参るわね」
「参る。いざ百合の世界に参る」
小澤はまだ言う。
「では今度はその同人誌を買い漁りましょう」
「百合ですか」
エルミーもいた。彼女はというと。
小澤のそんな言葉を聞いてだ。こう言うばかりだった。
「私も出来れば総統閣下と・・・・・・いえ何もありません」
「まあそこから先は言わない方がいいよ」
南雲はエルミーに対しても言う。
「自爆になるからね」
「ただ。本当にマニラの無血入城はよかったですね」
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