11話
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利と理解し、ギンは
「分かったよ。俺を兄と呼んでいいよ」
了承することで、ユエはやったとガッツポーズする。
話を戻して、本で読んだ記憶だと、三百年前の大規模な戦争のおり吸血鬼族は滅んだとされていたはずだ。実際、ユエも長年、物音一つしない暗闇に居たため時間の感覚はほとんどないそうだが、それくらい経っていてもおかしくないと思える程には長い間封印されていたという。二十歳の時、封印されたというから三百歳ちょいということだ。
「吸血鬼って、皆そんなに長生きするのか?」
「・・・私が特別。『再生』で歳もとらない・・・」
「まるで、人類の最高傑作だこと・・・」
ギンの言葉は言い得て妙に思えた。
さらに、聞けば十二歳の時、魔力の直接操作や『自動再生』の固有魔法に目覚めてから歳をとっていないらしい。普通の吸血鬼族も血を吸うことで他の種族より長く生きるらしいが、それでも二百年くらいが限度なのだそうだ。
ちなみに、人間族の平均寿命は七十歳、魔人族は百二十歳、亜人族は種族によるらしい。エルフの中には何百年も生きている者がいるとか。
ユエは先祖返りで力に目覚めてから僅か数年で当時最強の一角に数えられていたそうで、十七歳の時に吸血鬼族の王位に就いたという。
それを聞いて、ギンは
「最強ね・・・いくら辺境いえど最強とは・・・」
ハッと微苦笑だった。
ハジメはどういう意味だと聞き返す。
「前に俺が宇宙から来たと言ったな」
「ああ・・・」
「そこの話に皇帝という話をしたが、皇帝の中には化物なんてめっさいたわ。銃弾も大砲も剣すら効かない化物なんて者もいたな」
「ハッ? 銃弾が効かないって・・・どんな身体をしてるんだよ・・・」
ハジメの呟きにユエもコクッと同意する。
「ある奴のことだけど、其奴は規格外の耐久力と生命力があって、1000も超える拷問、40回に及ぶ死刑宣告されても死ぬことがなかったんだ」
「死刑宣告されて何で死なねぇんだよ」
「首吊り、ギロチン、串刺しすらも失敗する。しかも、趣味が自殺らしい」
「・・・・・・頭大丈夫?」
ユエすらも其奴の頭の中の異常さに動揺する。
「何をされてもほぼ無傷で生還する怪物・・・其奴の名をカイドウ。生きとし生ける者の中で『この世における最強生物』」
「其奴って人間か?」
「人間だよ。だけど、さっき言った通り、規格外の耐久力と生命力を有してるから最強生物と呼ばれてるだけ・・・」
「・・・・・・ギン兄はその怪物について何で知ってるの?」
ユエの素朴な疑問にハジメも同様の視線を向ける。
すると、ギンは
「ああ、ほんの少し前に俺がカイドウを倒したか
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