TURN33 マニラ攻撃その七
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
郷は敵軍の中にいる一隻の見事なシルエットの戦艦を見た。それは旗艦エンタープライズ、他ならぬダグラスの乗っている艦だ。
その艦を見てだ。そのうえで言うのだった。
「敵の司令官イーグル=ダグラス大将だな」
「はい、この前着任したばかりの」
「元映画スターのな。凄いのはルックスや演技力だけじゃないな」
「そうですね。中々優れています」
「マニラで受けたダメージは一旦日本まで戻って修理させる」
艦隊のダメージ自体は重視していなかった。だが、だった。
東郷はその日本に戻る時のロスを問題視していた。それがだった。
「だがその修理の間にだ」
「東南アジア、オセアニアのエイリス植民地への侵攻が遅れますね」
「このままできればマニラから一気に進むつもりだった」
間髪入れずのエイリス植民地への侵攻、それが東郷が考えていることだった。
だが実際は彼はそれが実現できる可能性は低いとも思っていた。ロスを危惧していてもだ。
それでだ。こう言うのだった。
「日本に戻り大修理工場での修理なら一月で全ての艦隊が修復できるが」
「その一月が、ですね」
「かなりのロスになる」
今の状況ではだ。殊更だった。
「エイリスも本国から正規軍を送ってくるからな」
「その一月の間に下手をすれば」
「マレーでぶつかるかも知れない。厄介だ」
「ではここは」
「何とかすぐにエイリス植民地に攻め込みたいがな」
しかしそれが難しくなろうとしていることもだ。東郷は今理解せずを得なかった。ミサイルを全て回避することは不可能だからだ。ガメリカ、フィリピン連合軍全軍の攻撃をかわすことは。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ