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真恋姫を駆けた男
別の世界に転生したんだって・・・
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らい回しにされ、挙句の果てには腫れ物扱いされたり、理不尽な暴力を受けた時もありました。・・・そして、六つの時に一人で生きるために“人”として生きるために、“殺す”練習を始めました。それから一年が経った頃に、その親戚の者を殺しました。そこから二年は力を付けながら、親戚の者を殺しまわりました。ささやかな復讐です。・・・これが全てです。」


まあ、時代と年、両親の死因は嘘だが、それ以外は事実だし。


「「・・・・・・・・・」」


二人は今の話を聞いてから一言も喋っていない。
やはり、拒絶するか。こんな話をすれば。
と自嘲気味に嗤っていると彗琳さんがいきなり抱きついてきた。


「!?」


え、ちょ、何故に!?


「辛かったでしょ?」
「・・・・・・・・」
「泣きたいときに泣いた方が楽になるわよ?」
「・・・泣きたくても泣けないんですよ。俺。」
「えっ?」
「なんというか、両親が死んだときだって泣けなかった。多分俺は、“悲しい”という感情が欠落してんだと思います。俺は壊れてしまったんですよ。・・・辛いはずなのに泣けず、心の中に溜めていき、それが入りきれなくなり内側から破裂して修復不可能のところまで壊れた。」
「・・・ねぇ、貴方。私たちの家族にならない?」
「・・・話し聞いてました?」
「聞いていたわ、けど誰だって幸福を望んでもいいはずなのに貴方にはそれがない。だからね、私たちが貴方に幸福を上げるわ。」


と拒否は許さないという目でこちらを見ていた。
最初は無視しようと思ったが、すごい見つめられていて居心地が悪くなったので諦めた。


「わかりましたよ。家族になります。」
「嬉しいわ〜。では、改めてよろしくね。真紅狼?」
「はい。義母さん。」
「そう言えば年は九つって言ってたから、華琳の義兄ね」
「あー、そうですね。よろしくな、華琳?」
「はい、義兄さん。」
「不思議な気分だな。」
「兄弟はいなかったの?」
「生憎、一人っ子です。」
「そうなの。」
「おっと、いけない。忘れるところだった。」
「何を義兄さん?」
「まあ、挨拶をな。」
「挨拶?」
「・・・この度、本日から曹家の家族と成りました、蒼騎 真紅狼です。末長くよろしくお願いします。」


と礼儀正しく、正座をし、深く挨拶をした。
このやり取りに彗琳と華琳はポカンとしていた。


「真紅狼、それは?」
「俺の両親が教えた礼儀の一つです。「世話になる相手には必ず礼儀正しく挨拶をしろ」・・・と。」
「・・・いい両親だったのね。」
と言ってくれた。
〜真紅狼side out〜
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