ターン22 機械仕掛けの地底神
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ーズ素材1つを使用しての2000バーン。初期ライフの半分を一度に奪い去るという何かを間違えたとしか思えないその馬鹿げた火力は、多少無理をしてでも出す価値のあるカードといえるだろう。
そしてそれを辛うじて抑制しているのが、先ほど彼女が捨てた増殖するGの存在だ。すでにザフィオンのリクルートによって1対1交換を許しているこのカードは、そのエクシーズ召喚を行えばさらなるドローを許すことになる。もしその過程で何らかの防御カードを引かせれば、破壊耐性と戦闘ダメージ0の2体を捨て、耐性のない3000打点の壁のみを残したという最悪の状態でターンを回すこととなる。そうなれば、このデュエルの流れは一気に逆転するだろう。
「どうした?AIだからといって、長考はあまり歓迎されないぞ」
からかうような言葉にも、当然清掃ロボは反応しない。これが並みのAIならば最短で相手ライフを削りきるためリスクを恐れず、悪く言えば猪突猛進にエクシーズ召喚を行っただろうが、この清掃ロボに組み込まれているプログラムは伏せカード1枚を対処するためわざわざラツィオンではなくザフィオンをリクルートするなど、どうもかなり慎重な節がある……今の攻防を経て、彼女はそう推測していた。おそらくは元々が侵入者を積極的に倒しにいくよりも、石橋を叩いて渡るプレイングを続けることで巴らが駆け付けるまでの時間を稼ぐことが目的なのだろう。仮に苦労して倒しきったとしても、そのころには生身の元プロに取り囲まれているというわけだ。いかにもあの男が好みそうな陰湿かつ確実な戦法だ、と独り言ちる。
もっとも、だからこそ彼女の命は繋がれるのだから皮肉なことである。結局、清掃ロボはエクシーズ召喚を行わず、カードを2枚伏せてターンを終えた。
「いい子だ。私のターン、ドロー。まずは様子見か、羊トークンの1体を攻撃表示に変更して魔法カード、強制転移を発動。互いにフィールドのモンスター1体を選び、そのコントロールを入れ替える。私は当然、今攻撃表示にした羊トークンを選ばせてもらうが……」
「極めて危険なカードと判断します。速攻魔法、帝王の轟毅を発動。私のフィールドに存在するレベル5以上の通常召喚されたモンスターである時械神サンダイオンをリリースすることで、フィールドで表側表示のカードである強制転移の効果を無効化します」
羊トークン 守0→攻0
サンダイオンの巨体が光となって突撃し、強制転移のカードを破壊する。しかし、その程度で怯むようではデュエルポリスなど務まりはしない。帝王の轟毅は打たれたのではなく、あくまで打たせたのだ。
「そして帝王の轟毅の更なる処理として、私はカードを1枚ドローします」
「妨害1枚、そこまでは想定内だ。あとはそれが何枚あるかだが……考えても仕方がないな。地属性モンスター
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