ターン22 機械仕掛けの地底神
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せてわずかに揺れた。
「「デュエル!」」
今回先攻を手にしたのは、清掃ロボ。どの程度のAIが組み込まれているのかは知る由もないが、できる限り短期決戦で決着をつけよう……しかし、すぐに彼女はそんな自分の甘さを悔いた。そもそも、巴は過去の知識から彼女のデッキ内容をある程度把握しているのだ。防衛プログラム程度に彼女が負けるとまでは思っていないだろうが、ある程度苦しめるための手は打ってあることぐらい想定してしかるべきだったのだ。
「私のフィールドにモンスターが存在しないことで、手札の時械巫女は特殊召喚ができます。そして時械巫女をリリースすることで、デッキから時械神1体を手札に加えます」
「【時械神】……やってくれたな、巴。随分と過ぎた玩具を持たせてくれたじゃないか」
時械神。カテゴリ内ほぼ全てのモンスターが攻撃力も守備力も0という異色の最上級モンスターで構成され、にも関わらず戦闘を介することでバーン、ドロー、除去、回復とあらゆる形で豪快にアドバンテージを稼いでいく、神の名に相応しい常に上からの圧殺を得意とするデッキである。当然のことながら、打点を武器に上から殴り飛ばすスタイルを軸とした彼女のデッキとの相性は最悪に近い。
呻く彼女にはお構いなしに、清掃ロボが器用に小型アームを伸ばしカードを掴んだ。
「私が手札に加えるカードは、時械神ラツィオン。そして自分フィールドにモンスターが存在しない場合、時械神ラツィオンはリリースなしで召喚できます」
時械神ラツィオン 攻0
薄暗い地下世界を、ぱっと赤い炎が照らす。清掃ロボが最初にその場を任せたのは、両肩から炎を立ち昇らせる巨大な鎧。空洞の中身には巨大な鏡面が埋め込まれ、その内部に髭を蓄えた巨大な人の顔が映り込む。本来このカードをはじめとした時械神はかなり巨大なモンスターだが、狭い上水道内ではソリッドビジョンのサイズにも自動的に補正が入りどうにかその体を天井いっぱいまでで収めている。しかし逆に言えば今の召喚によってこの通路は完全に塞がれたということでもあり、このデッキチョイスにはいちいち巨大な時械神を盾にすることでデュエルを拒否して強引に突破しようとする不埒な侵入者を足止めする意味もあるのだろう。
「私は、これでターンエンドです」
「……仕方がないな。私のターンだ」
しばし手札を眺めて考えを巡らすも、どうにもならないと諦めてカードを引く。その瞬間、ラツィオンの肩から噴き出る炎が大きく向きを変えて彼女に襲い掛かった。
「くっ……!」
鼓 LP4000→3000
咄嗟に息を止めて目を閉じ、体内に炎が入ることは食い止める。すぐに炎は収まったが、文字通りその身を焼かれるというのは間違っても気分のいい体験ではない。
「時械神ラツィオンの効果発
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