ターン22 機械仕掛けの地底神
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点で確証があったわけではないが、かれこれ13年間も裏稼業を続けているあの男ならばおそらくそれぐらいの情報システムは押さえているだろうと推察したわけだ。先ほどの電話はそれを確認するためのもので、果たして彼女の読みは見事に命中。当然この情報の開示は彼らにとって奥の手ともいえる地下関連のアドバンテージをデュエルポリスに奪われることになるが、それを差し引いてもこの爆破計画をそのまま通すわけにはいかない巴は情報を出し渋りはしないだろうとの判断である。
「さあ、さっさと始めようか」
その言葉に反応するかのように清掃ロボの上部、人間でいうところの顔に当たる部分にはめ込まれた緑色のランプが色を変えて赤く光る。そう、そこまでで終わっていればこの一時的同盟の名を借りた水面下での攻防は鼓の、ひいてはデュエルポリスの一方的勝利で終わっていただろう。しかし、巴光太郎。この油断も隙もない老獪なおきつねさまは、この情報を開示するにあたりひとつだけ彼女から譲歩をもぎ取っていた。
それがこの、彼の手による改造によって自衛プログラムをインストールされた清掃ロボとデュエルを行うこと。それも、デュエルポリスの「BV」妨害プログラムを使用しないという条件付きである。この清掃ロボのアクセス権を得るためにはデュエルで勝利する必要があるのだが、そのセキュリティを切るつもりはないとのお達しがあったのだ。
そして、その理由も彼女にはよくわかっている。この情報を渡す代わりに、デュエルポリスフランス支部長である彼女のデュエルデータを丸々手に入れようという魂胆なのだろう。あまり多くのデータを渡せば、それだけ「BV」は進化する。妨害電波の通用しない「新型」の研究も、それだけ進むはずだ。おまけにこのロボが持たされたデッキにもよるが、このデュエルにおいて実体化されるカードは彼女の肉体を容赦なく傷つける。それでも彼女はデュエルポリスとしての使命感……いや、それ以前に多くの人が危険にさらされている状況を見て見ぬふりはできないという単純な義務感から、巴の思う壺だとは承知しつつも、彼女がそういう女だとわかったうえでの言葉だと理解しつつも、この提案を飲まざるを得なかった。
「ピピピピピ……デュエルディスク、認証。アクセス権限、確認失敗。アクセス権限容認申請と判断、当機はこれよりデュエルモードに移行します。よろしいですか?」
「我々の得た情報と、奴の手に入れる戦闘データ。まあ痛み分けと言いたいところだが、私の受けるダメージがある分こちらがやや損な取引か?どうにも納得がいかないから、お前には少し憂さ晴らしに付き合ってもらうとしよう。恨むなら主人を恨むことだな」
男とも女ともつかない機械音声が、周囲の壁に反響してどこか不気味に響く。不敵に笑い返した鼓が銀髪をかき上げると、ゆる三つ編みがその動きに合わ
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