ターン22 機械仕掛けの地底神
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オフィスに響く。3回、4回……しかし、音の連鎖は途切れない。まるでカウントでも取っているかのように、その回数に比例して糸巻の表情が真剣味を帯びていく。嫌でも想起される最悪の事態にしびれを切らしかけたその時、唐突に着信音の一定のペースが途切れた。
『……はい。なんすか、糸巻さん』
「鳥……なんすかじゃねえこの馬鹿野郎。アタシが呼んだらさっさと出ろ、このタコ!」
安堵の声を寸前で呑み込み、通話口に怒鳴りつける糸巻。何とも言えない薄笑いを浮かべてそんな彼女を見つめる鼓のことはきっちり睨みつけ、拳を握って殴りつけるジェスチャーで牽制する。
『ちょっとこっちも今、取り込んでるんすよね。ああ、でもまあ丁度いいっすわ。こっちが片付くまでまだ時間欲しいんで、余ってる有休使わせてもらいます』
「何?」
ぼそぼそと低く聞こえてくる声の調子からただならぬ向こう側の様子を察知し、さすがの糸巻も怪訝な顔になる。そんな彼女にお構いなしに、電話口の向こうから一方的な言葉は続く。
『もうデュエルフェスティバルとか、そっちのことは全部糸巻さんに任せます。俺は俺のやり方で、先輩の敵を討ちますから。じゃあ、そういうことで』
「おい……あっ、切りやがったなコノヤロ!」
言いたいだけ言って通話を切られた瞬間にもう1度かけ直すも、すでにあちらの携帯は電源ごと切られたらしく繋がりすらしない。腹立ちまぎれに拳を叩きつけられたデスクがドン、と重い音をたてた。
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