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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第七話 パランティア星域の遭遇戦(後)
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4月21日15:30 パランティア星系、パランティア[小惑星帯、エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊、
B集団、旗艦アウストラ、B集団司令部 ヤマト・ウィンチェスター

 まだか。…まだなのか。
快く応じてくれたからよかったものの、ダウニー司令やドッジ大佐達には申し訳ない事をした。艦隊をA集団、B集団と分割したから、指揮をとる都合上移乗が必要だったのだ。戦艦ユリシーズの艦長もビックリしただろう。
そして、B集団の指揮はドッジ大佐に執ってもらおうと思ってたんだが、パークス艦長が指揮を執ると言い出した。
「ドッジ大佐は司令の補佐をせねばならん。手の空いているそこそこベテランの高級士官となったらワシしかおらん。旗艦艦長をやっておったから指揮の要領は大体判る。任せて貰いたい。それにワシの部下が言い出した事だからな、部下の尻拭いはきちんとせねばならんて」
申し訳ありません、と謝ったら、
「…と、こう言った方が格好よかろう?ワシは旗艦艦長だから大佐になっとるだけで、本当は中佐で終わる人間だ。退役前に一度でいいから艦隊司令をやってみたかったのだ。巡航艦四十隻とはいえ、艦隊は艦隊だ。ハハハ」
なんて言いやがる。こっちは楽しんでるから申し訳ぶらなくてもいいか…。

「ヤマト、敵が密集しだした、紡錘陣形をとるんじゃないか?」
「オットー、これを待っていたんだ。パークス艦長、今です」
「よし!全砲門開け!全艦、突撃!!」



4月21日15:30 パランティア星系、銀河帝国軍、特別第745任務艦隊旗艦ニーベルンゲン
艦隊司令部

 「こ、これは!隊司令、小惑星帯から高速で敵が突っ込んできます!」
「なんだと?応戦せよ!」
「正横からの攻撃です、それに我が方は陣形再編中です、間に合いません!」



4月21日16:00 パランティア星系、自由惑星同盟軍、エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊A集団
A集団、旗艦ユリシーズ A集団司令部 セバスチャン・ドッジ

 戦闘が開始してからの司令は枷が外れたかの様にイキイキとしておられる。
「艦長、全艦に伝達。左翼後退、右翼は前進だ。…ああ、オペレータ、平文でいい、B集団に打電してくれ。敵に傍受される?傍受してくれたら敵は逃げ出すだろう。いいか?…B集団は敵左翼側に回られたし、以上だ」
”ユリシーズの艦橋はアウストラより狭くて息が詰まる“
なんて仰っていたのが、
“オペレータまで距離が近いから貴官の手を煩わせなくて済むな。これはこれで指揮が執りやすい”
に変わった。
「司令。敵は未だに混乱から回復していません、我が方の勝利は確定的です。おめでとうございます」
「ありがとう主任参謀。しかし気を抜くのはまだ早い、敵の旗艦はまだ健在だ。B集団と共同で敵左翼を半包囲で
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