揺籃編
第七話 パランティア星域の遭遇戦(後)
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くれるか」
俺はヤマトに言われた通りコンソールを叩いてパランティア星系図を出した。それはいいが、何で参謀達に睨まれなきゃいかんのだ!
「…あったあった。…主任参謀殿、宜しいですか?」
「ドッジでいい、何だね?」
「ありがとうございます、ではドッジ大佐、艦隊をこの小惑星帯に移動させて下さい。伏撃の準備をします。その後に艦隊を二つに分けます」
「小惑星帯に襲撃部隊を潜り込ませるのか?艦隊を分けたら敵艦隊にバレてしまうぞ?さすがにこちらの数も知られているだろう。成功するとは思えんが」
「我々が全軍で小惑星帯に移動を開始すれば、敵もこちらの動きに注意を向けるでしょう。伏撃の準備かとね。伏撃の準備なら、当然艦隊を分けると思うでしょう。この場合、再び小惑星帯から出て囮の役目の艦隊の兵力は小さくなる筈ですよね、艦隊を二分するのですから。そうしたら、敵はどう動くと思います?」
ドッジ大佐は興味が出てきたようだ。腕を組んで考えている。でもな、俺は大佐参謀と堂々と話の出来るお前の精神構造に興味津々だよ。
「…敵は元々我々の倍近い。こちらの兵力が二分されたとすれば嬉々として囮艦隊の撃破にかかるだろうな。この場合、小惑星帯にもう半分が潜んでいるのは分かっているのだから、そこから出てくる部隊には注意はするが、後回しといったところだろうな」
「では、小惑星帯から出てきたこちらの数が百五十隻のままだったらどうなります?」
「伏撃を諦めて出てきたと思うだろう。元々敵が多いのだ、これも撃破にかかるだろうな」
「では小惑星帯には、注意を払う事はない?」
「だろうな。兵力が小惑星帯に入るまえと変わらんのだから」
「ありがとうございます。では司令閣下に作戦を説明いたしますので、ご協力をお願いいたします。オットー、マイク、お前達も手伝ってくれ」
帝国?477年4月21日06:00 パランティア星系、パランティアY近傍、銀河帝国軍、
特別第745任務艦隊旗艦ニーベルンゲン 艦隊司令部
「隊司令、パランティアYの調査が終了しました。それと、反乱軍に動きがあります。パランティア[小惑星帯に移動中との事です」
「参謀、パランティア[小惑星帯、というのは?」
「はっ、惑星パランティア[が周回する筈だった軌道に広がる小惑星帯です。今回の調査に随行している航路部の者によりますと、元々パランティア[になる筈だった微惑星や小惑星の集まりだという事であります」
「そこに反乱軍が潜り込もうとしているという訳か」
「はい。反乱軍は艦隊を二分して、一隊を小惑星帯に置き我々を挟み撃ちにしようとしているのではないか、と思われます」
「私もそう思う。反乱軍の兵力はいか程だったか?」
「百五十隻前後だと思われます」
「…調査の前に撃破してもよかったかな。…参謀、敵
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