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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
揺籃編
第七話 パランティア星域の遭遇戦(後)
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ー兵曹、君も司令部に来たまえ」



4月21日05:00 エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊、旗艦アウストラ 
ヤマト・ウィンチェスター

 「司令部に、ですか?私は下士官です。参謀任務の経験もありませんし、もとの任務もありますし、遠慮させて頂きたいのですが…」
司令本人が言い出したんだから司令部行きは確定だろうけど、一応遠慮しないとな…下士官風情に司令の補佐をやられたら、参謀の顔が立たんだろう。現にドッジ大佐とウインズ少佐だったか?に睨まれている。
誇らしげなのは艦長とカヴァッリ中尉だけだ。
「謙遜するなよ、敵の意図を見破るくらいだから、敵艦隊の撃破なぞ容易いだろう?ウィンチェスター兵曹?」
ウインズ君、俺は君たちの顔を立てようとしてるんだぞ?それをなぜ挑発するのかね?お前達がちゃんと仕事してればこうはなってないだろ?それに艦隊戦なら原作知識をいくらでも出せるんだぞ?お前らホントに立つ瀬無くなるぞ?
「な、何が可笑しい!!」
…え?しまった、心の声が顔に出ていたようだ。ウインズ君がメッチャ怒ってる…俺は微笑んでいたらしい。カヴァッリ中尉を見るとスゴく呆れ顔をしているから、多分蔑み笑いでも浮かべてたんだろうな…。
「ウィンチェスター兵曹、私からも頼む。私達は参謀という肩書きに胡座をかいていた様だ」
ドッジ大佐、言葉の内容と表情が一致してませんよ…。
それはともかく、モブ中のモブから抜け出す機会を逃がす訳にはいかない。いっちょ、やったるか!
 
 「そういう事でしたら微力ながら力を尽くさせて頂きたいと思います。申し訳ないのですが、お願いがあります、司令閣下」
准将では閣下とはあまり呼ばれないのだろう、ダウニー司令は少し嬉しそうだ。
「何だね、行ってみたまえ」
「やはり、階級が気になります」
「戦時昇進でもさせろと言うのか、バカな!司令、このような…」
「ウインズ少佐、黙っていたまえ」
ウインズ君、立場が逆転したようだね。
「いえ、私は下士官、兵隊ですので、ドッジ大佐やウインズ少佐に軽々しくものを頼むという訳にはまいりません。そこで、私の手伝いをする人間が欲しいのです、閣下」
「確かにそうだな。一等兵曹が大佐に指示を出すわけにはいかんな。宜しいか?艦長」
「司令の宜しいように願います。ではウィンチェスター君、人選は済んでいるんだろうな?」
「はい」



4月21日05:10 エル・ファシル警備艦隊第2分艦隊、旗艦アウストラ、第1艦橋 
オットー・バルクマン

 「どういう事だ、ヤマト。俺にもマイクにも分かるように説明してくれるんだろうな」
「まあまあ。後で説明するから、今は合わせてくれ」
「そうだな。巡察と格闘から救ってくれてありがたい事だ」
「…何をすればいい?」
「星系図を出して
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