第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第22弾 少女との再会(ミッシング・リンク)
[9/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
射撃の違和感に気付いたらしいマキは、眉を潜める。
勘付くまでが早いね。流石だよマキ。
「でも……抜けられるかな?」
誰にとなく呟きながら、俺はベレッタを放っていく。
放たれた弾丸は壁に当たり、跳ね返り後続の弾丸へと当たる。
ぶつけられた弾丸は、進行方向を下へと向け地面に跳弾する。
今度はその後ろから飛来した弾丸が、地面に跳弾した弾の脇から衝突し、進行方向を斜めに変えていく。
「まさか……」
「見ての通り、さ」
俺が今マキに行っているのは、先日周二に放った連鎖的に引き起こされる銃弾の衝突により、弾幕による包囲網を作り上げるあの技、『空間撃ち』。
「やられたみたい……」
そう言って苦笑するマキ。
だがしかし、その顔から戦意は消えていなかった。
寧ろ、強まっていた。
「でも???負けてないよ」
そう言ってマキは、左手のグロックをホルスターに仕舞うと、背面から1本の刀を抜き一剣一銃になる。
あれは……炎雨か。
直後、俺の目線の先にいるマキは、グロックを2発弾幕に打ち込むと即座に走り出す。
俺はそれによって弾かれる弾を、銃弾撃ちで弾き返す。
その数瞬の後、均衡を保っていた弾幕が崩壊し始める。
「な……」
突然のことに戦慄する俺。
そんな俺に対して、不敵な笑みを向けて来るマキ。
なるほど……な。
「……謀ったね」
「うん。シュウ君の先を読んでね」
本当……こっちの俺を逆手に取るなんて、どこまでも凄いよ。マキは。
でも、それだけじゃこの弾幕は突破できないよ。
「普通なら、あれだけの事じゃ、この弾幕は突破できないよね?」
「だな」
「でも、私にはあるよ。突破するための算段が」
マキは俺にそう告げ走り出し、再びグロックを放つ。
そして弾幕の中に道を築き上げる。
俺はマキが出て来る地点を先読みし、真正面に回ると左手のベレッタの残弾を全て撃ち出す。
「お見通し!」
『空間撃ち』による弾幕の中から出てきたマキは、左手に握った炎雨を横一文字に振りかざし、俺が新たに放った弾丸を切り裂く。
そして切り裂かれた弾丸は、別の弾丸に当たり分散していく。
これも退けるのか……。
唖然とする俺の手前、再度地面を蹴ったマキがこちらへと突っ込んでくる。
そしてマキと交錯する瞬間、俺は左右のベレッタを反射的に投げ捨てながら、マキの一撃を退け間合いを開く。
「……」
「……」
互いに無言の中、俺はマキの方へと振り向く。左手に刀を握りながら。
「……私の氷華、今の一瞬で抜き取った
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ