暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第22弾 少女との再会(ミッシング・リンク)
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射撃の違和感(・・・)に気付いたらしいマキは、眉を潜める。
 勘付くまでが早いね。流石だよマキ。

「でも……抜けられるかな?」

 誰にとなく呟きながら、俺はベレッタを放っていく。
 放たれた弾丸は壁に当たり、跳ね返り後続の弾丸へと当たる。
 ぶつけられた弾丸は、進行方向を下へと向け地面に跳弾する。
 今度はその後ろから飛来した弾丸が、地面に跳弾した弾の脇から衝突し、進行方向を斜めに変えていく。

「まさか……」
「見ての通り、さ」

 俺が今マキに行っているのは、先日周二に放った連鎖的に引き起こされる銃弾の衝突により、弾幕による包囲網を作り上げるあの技、『空間撃ち(パラレル)』。

「やられたみたい……」

 そう言って苦笑するマキ。
 だがしかし、その顔から戦意は消えていなかった。
 寧ろ、強まっていた。

「でも???負けてないよ」

 そう言ってマキは、左手のグロックをホルスターに仕舞うと、背面から1本の刀を抜き一剣一銃(ガン・エッジ)になる。
 あれは……炎雨か。

 直後、俺の目線の先にいるマキは、グロックを2発弾幕に打ち込むと即座に走り出す。
 俺はそれによって弾かれる弾を、銃弾撃ち(ビリヤード)で弾き返す。
 その数瞬の後、均衡を保っていた弾幕が崩壊し始める。

「な……」

 突然のことに戦慄する俺。
 そんな俺に対して、不敵な笑みを向けて来るマキ。
 なるほど……な。

「……謀ったね」
「うん。シュウ君の先を読んでね」

 本当……こっちの俺(サイレントアンサー)を逆手に取るなんて、どこまでも凄いよ。マキは。
 でも、それだけじゃこの弾幕は突破できないよ。

「普通なら、あれだけの事じゃ、この弾幕は突破できないよね?」
「だな」
「でも、私にはあるよ。突破するための算段が」

 マキは俺にそう告げ走り出し、再びグロックを放つ。
 そして弾幕の中に道を築き上げる。
 俺はマキが出て来る地点を先読みし、真正面に回ると左手のベレッタの残弾を全て撃ち出す。

「お見通し!」

『空間撃ち』による弾幕の中から出てきたマキは、左手に握った炎雨を横一文字に振りかざし、俺が新たに放った弾丸を切り裂く。
 そして切り裂かれた弾丸は、別の弾丸に当たり分散していく。

 これも退けるのか……。
 唖然とする俺の手前、再度地面を蹴ったマキがこちらへと突っ込んでくる。
 そしてマキと交錯する瞬間、俺は左右のベレッタを反射的に投げ捨てながら、マキの一撃を退け間合いを開く。

「……」
「……」

 互いに無言の中、俺はマキの方へと振り向く。左手に刀を握りながら(・・・・・・・・・・)

「……私の氷華、今の一瞬で抜き取った
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