第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第22弾 少女との再会(ミッシング・リンク)
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ら、再三刀を構える俺。
「そろそろ決着といこうじゃないの」
「だね」
同意してくるマキもまた、三度刀を構える。
そして、互いに走り出す。
「???『霞雨』ッ」
平行に構えた二刀を振り下ろす俺。
「???『時雨』!」
それを退けたマキは、鋏の様に上下に構えた二刀で斬りかかって来る。
俺はそこへ、霞雨の2段目である『突き』を放ち迎え撃つ。
斬り結ばれた互いの刃は、激しく火花を散らす。
「……ッ!」
「クッ……!」
反動で一歩下がる俺とマキだったが、同時に地面を蹴りぶつかり合う。
再度行われる交錯の瞬間、俺は右手の雷鳴の切っ尖を下に向け自身の前に突き出す形をとる。囮として扱うため。
それとほぼ同時に、俺の視界はマキが同じ構えなのを捉える。
「「???『八海』!」」
雷鳴を軸にして、180度回転する俺。
本来ならここで相手の背後をとれているのだが、どうやらマキも同じ技を繰り出しているらしい。
即ち今回は、直ぐに相手の真正面に出る。
その一瞬を逃さずに、俺は氷華の峰をマキの首筋へと振り、減速させながら当てる。
刀がマキの首に当たった感覚と共に、俺の首筋に冷たい感覚が伝う。
「……」
「……」
どうやらこの試合、引き分けらしい???
「まさか……俺の技をあそこまでコピってくるとはな……」
寮への帰り道。隣を歩くマキに対してそう溢す俺。
いや、相鋏だけじゃなくて神回避や八海を真似てきたのは驚きってレベルを超えてたね。
「見様見真似だけどね」
微笑みながらそう返してくるマキ。
絶対的に回したくない……。
人間関係だけじゃなくて、純粋に戦闘能力だけで敵に回したくない……。
「見様見真似であそこまでは出来ないから」
「それならシュウ君だって、時雨見せたことないのに即座に対処してきたじゃん」
「いや、それは……」
痛いところを突かれた俺が返答に困っていると、マキがこんなことを言う。
「でもね、私はシュウ君が居たからこうなれたんだよ」
「俺が……いたから?」
首を傾げる俺に対して頷くマキ。
「あの時私を助けてくれたシュウ君が居たから、あの時私に教えてくれたシュウ君が居たから、そして???今もこうして隣に居てくれるシュウ君が居るから今の私がある」
真っ直ぐと俺の顔を見ながら、そう告げてくるマキ。
そんなマキの言葉に、どことなく恥ずかしさを覚える俺。
「そ、そっか……」
「うん。だから???これからも、私の隣にいてね」
「ああ。勿論」
そう言って、互いに笑う。
「ありがとう。シュウ君」
「礼を言われることじゃない
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