暁 〜小説投稿サイト〜
緋弾のアリア 〜Side Shuya〜
第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第22弾 少女との再会(ミッシング・リンク)
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 ???鼻をつく消毒の様な匂いで目を覚ます。
 俺は、どうなっていたんだ? 
 確か、周二と戦って……倒した後……? 

「……あいつは?!」

 ハッとした俺は、思わず上体を起こした。

「……落ち着いて。周一君の弟なら、周一君達が尋問科(ダギュラ)に連れて行ったから」

 俺の傍に座っていたマキが、そっと答えてくれた。

「……マキ。ここは?」
「武偵病院の病室だよ。シュウ君、気を失っちゃって……」

 そこまで言ったマキは、俺の胸に顔を埋めてきた。

「……良かった。また、あの時みたいな事になったから……」
「悪い……」

 俺はそっと、マキの可憐な躰を抱いた。
 俺よりも小さい、その守ってやらなきゃいけない……俺の守りたいと思うその人物を。

「……ごめんね。私を守るために……」
「マキが気にすることじゃ無いさ……」

 俺の返答を聞いたあたりで、マキもそっと俺の背面へと腕を回した。
 その細い腕は、俺を離すまいと力強く俺を押さえつける。
 その際、先の戦闘で負った傷を痛めた。

「……イテッ」
「あ、ごめんね……」

 マキは反射的に腕を離して、俺から距離を取る。
 だが、俺はそのマキの体を抱きとめた。

「……いいさ。マキを守れた証拠だから」

 俺はそう言って、彼女を抱く力を少しだけ強めるのだった。
 対するマキは、ふにゅ……などと呟きながらも、再び抱き返してくるのだった。

「……あ」

 俺はそんな空気をぶち壊す様な、素っ頓狂な声をあげた。

「……どうしたの?」

 顔を上げたマキが訪ねて来た。

「閉会式……」

 俺は本日行われる閉会式の、裏方の責任者を請け負っていた。
 その閉会式はもう直行われるであろう。
 だが、そんな場面に責任者である俺がいない。

「ヤベ……どうするか」

 不測の事態に陥った俺は、頭を抱えた。
 少なからず、今直ぐにでもここを出るのは不可能であろう。
 なんせ、この怪我なのだから。

「閉会式なら、周一君が代わりに入るって……」
「マジで?」
「うん。だから、今はゆっくり休めって」
「そうか……」

 俺はそう呟くと、再びベッドに横たわった。

「アイツには、いつもいろんなことで世話になってるな」

 誰にとなく、俺はそう呟く。
 この前の……水蜜桃の時だって、事後処理やってくれたのはなんだかんだアイツだったしな……。

「また、借りが出来ちまったな」
「そんなこと言ったら、私だってシュウ君に借りが沢山あるよ」

 マキはそう言葉を返すのであった。

「そうなのか? あまりそう言うことした記憶無いけどな……。まあ、後でゆっくり考えるかな」

 俺は
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