暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第五十七話 卒業式その二十二

[8]前話 [2]次話
「お引き寄せで」
「何でお休みの時も阿波野君に会うのよ」
「夏休みもそうだったじゃないですか」
「あの時もね」
 言われてみればです。
「お引き寄せよね」
「またそれで」
「全く。それで神戸で若しも会ったらどうするのよ」
「どうしましょう」
 阿波野君の今度の返事はどうも拍子抜けな感じでした。
「一体」
「そこからは考えてないの?」
「お会い出来たらいいですけれど」
「それでもなのね」
「その時は先輩にお任せしようかと」
「じゃあ神戸案内する位よ」
 私が出来ることと言えばです。
「それ位よ」
「それ位どころかそうしてくれたら嬉しいですね」
 それならとです、阿波野君はお顔を急に明るくさせて言葉を返してきました。
「じゃあお願いしますね、その時は」
「会うというかうちに来るの?」
「教会にですか」
「教会は誰でも来ていいから」
 このことは天理教の教会なら誰でもだと思います、本当に来るものは拒まずです。
「それだとね」
「じゃあ教会のお話とかも」
「よかったらね」
「それじゃあ楽しみにしています」
「楽しみっていうことはもう決まってるのね」
「はい、もう」
 いつもの底抜けに明るい返事でした。
「そういうことです」
「やれやれね」
「やれやれですか」
「私としてはね。けれどどういう訳か」
 ここで私はお父さんとお母さんの方を見ました、すると詰所の人達と一緒に笑顔でお話をしていいます。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ