TURN33 マニラ攻撃その二
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「艦橋でお父さんの仕事を見ておくんだ」
「そうしていいの?」
「今回だけだぞ」
娘にも優しい父だった。
「真希はいい娘だから特別だ」
「有り難う、お父さん」
「さて。ではだ」
東郷は仕事をする顔になって秋山に告げた。
「これからのことだがな」
「祖国殿が戻ればすぐにですね」
「その頃には攻撃範囲に入っている」
計算通りだった。ここまでも。
「予定通りいこう」
「ではこのまま」
こうした話もした。真希が来ていたことがわかったというアクシデントもあったがそれでもそのことは置いておいてだ。そうしてであった。
その日本が戻って来た。彼はモニターから東郷と秋山に言う。
「宣戦布告、終えました」
「よし、わかった」
「では」
「いよいよですね」
日本も真剣な顔で二人に述べる。
「ガメリカ共和国との開戦ですね」
「そうだ。そしてエイリスとな」
「運命のはじまりですね。ですが」
日本もだ。ここで気付いたのだった。
「真希さんがおられるのですか」
「祖国さんも気付かなかったみたいだな」
「流石に。これは」
想定もしていなかったとだ。日本はモニターの向こうから東郷に答える。
「ですが今となっては仕方ないですね」
「御免なさい、祖国さん」
「いえ、もうお話は済んでいますね」
東郷は落ち着いた声で真希に返した。
「なら私から言うことはありません」
「本来なら怒るところだがな」
だが、だとだ。東郷もここで言う。
「俺のことを思ってそれにだ」
「それにですね」
「こうなっては仕方がない」
東郷の今の判断には真希の普段のことも念頭にあった。
「ここは是非な」
「そうですね。ここはですね」
「このまま攻撃開始だ。攻撃目標はガメリカ太平洋艦隊及びフィリピン軍だ」
ガメリカ軍だけではなかった。主な相手は。
「一気に決めよう」
「では」
日本は東郷に敬礼で応えた。そうしてだった。
彼等は静かに攻撃態勢に入った。だがその時まだだった。
ガメリカ軍もフィリピン軍もバカンス中だった。しかしだった。
ダグラスは艦隊に結構な割合の士官を置いていた。無論下士官や兵士もだ。
そのうえで連絡態勢を整えていた。その彼にだ。
フィリピンと紫の長い、波がかった髪にガメリカ人のそれとは明らかに違った顔立ち、目が大きくはっきりとしていて睫毛が長い紫の目だ。
それに褐色の肌をしている。ガメリカ軍の軍服に身を包んでいる彼女もいた。その彼女も見てダグラスはエンタープライズの艦橋から言った。
「ララー=マニィ少将、君もか」
「うん、私も今日は当直だからね」
「それでこうして一緒にね」
フィリピンも言ってくる。二人はそれぞれの乗艦からモニターでダグラスに話す。
「ダグラスさんと
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