第三幕その八
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「寝ていると気持ちがいいからね」
「そうだよね」
「ボタンや僕みたいによく寝て」
そしてというのです。
「そうしている方がね」
「ずっといいよね」
「本当にそうだよ」
「そうね。それか踊る方が」
今度はポリクロームが言いました。
「いいわね」
「その方がね」
「そんな無駄なことをしても」
「全くだよ、そして一番いいのは」
そのことはとです、ハンクがここで言うことはといいますと。
「今は冒険かな」
「そうね、ピラミッドがいよいよ近くに来たけれど」
ベッツイが笑顔で言ってきました。
「スフィンクスもあるわね」
「あっ、ピラミッドの傍にね」
「ちゃんとあるわね」
「スフィンクスも大きいわね」
巨大な石から造られた像があります、身体は悠然と寝そべっているライオンでお顔は古代エジプトのものです。
そのスフィンクスを見てです、ベッツイは言いました。
「スフィンクスも大きいわね」
「そうだね」
ハンクはスフィンクスの言葉に頷きました。
「ピラミッドよりは流石にだけれど」
「それでもね」
「こちらも大きいね」
「ええ、それに」
ベッツイはそのスフィンクスを見上げて言いました、一行は今はスフィンクスの正面に来ています。本当に物凄い大きさです。
「今にも動きそうね」
「そうだね」
「ああ、動くことも出来るよ」
スフィンクスのお口が開いてです、そのうえで喋ってきました。大人の男の人の声で低くしっかりしたものです。
「私はね」
「あっ、喋ったわね」
「そう、喋ることも出来るよ」
スフィンクスはベッツイに答えました。
「こうしてね」
「そうなのね」
「ここはオズの国だからね」
だからだというのです。
「こうしてね」
「喋ることも出来るのね」
「私もね、そしてだよ」
「そして?」
「スフィンクスがすることもするんだよ」
ベッツイにさらに言うのでした。
「私はね」
「あっ、ひょっとして」
「そう、ひょっとしてだよ」
スフィンクスは今度はハンクに答えました。
「謎々を出すよ」
「そうだよね、スフィンクスは」
「そしてその謎々はね」
「朝は四本足、昼は二本足でだね」
「夜は三本足の生きものだけれど」
「人間だね」
ハンクは笑顔で言いました。
「外の世界の」
「そうだよ、わかるね」
「うん、スフィンクスの謎々はね」
「そう、オズの国ではね」
「皆歳を取らないからね」
「本人が歳を取りたいと思わないとね」
そう思わない限りはです。
「歳を取らないからね」
「だからずっとだね」
「二本でいたいと思うならね」
「二本だね」
「そうだけれど謎々としてね」
スフィンクスのそれでというのです。
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