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ヘタリア大帝国
TURN33 マニラ攻撃その一
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                          TURN33  マニラ攻撃
 日本は一旦だ。東郷と秋山に対してモニターから話した。
「では今から言ってきます」
「ああ、頼む」
「宜しくお願いします」
 二人がこう応えてだ。そのうえで日本を見送った。
 日本はガメリカへの宣戦布告に向かった。それを見届けてからだ。
 東郷は少し捻る顔になってこう秋山に言った。
「祖国さんが戻ってくればいよいよだが」
「何かあるのですか?」
「いや、何かおかしい感じがする」
 こう言うのだった、
「出撃の時から感じていたが」
「?といいますと」
「長門の通信士の娘だが」
「あの娘にも手を出されていましたね」 
 東郷の艶福はここでもだった。
「そういえば」
「出撃からあの娘の部屋には行ってないが」
「そういう問題ではありません。ですが」
「そうだ。あの娘は少食だった」
 東郷はこのことを言うのだった。
「しかし最近自分の部屋に食べ物を持っていく」
「少食である筈なのに」
「食堂でも残す位だったのに何故だ」
「急に食欲が出て来たということは」
「それなら食堂で話す筈だ」
 東郷はこう指摘する。
「違うか、それは」
「言われてみればそれは」
「そうだな。ではだ」
「通信士の部屋に誰かいるのでしょうか」
「少し調べてみるか」
 日本が宣戦布告に向かっている僅かな間にだった。東郷は司令官であるが故に指揮にあたらねばならず艦橋を離れることができない。秋山もだ。
 それで士官の一人がそっと通信士の部屋に行きすぐに戻って来た。するとだった。
 真希が連れて来られていた。流石にこれにはだった。
 東郷も言葉を失う。そして秋山はというと。
「何故こうなるんですか!?」
「やはりそう言ったか」
 秋山のその言葉に東郷も引く。
「予想通りだな」
「あの、私に言うんですか」
「そうだ。まあ流石に俺も驚いているがな」
 とはいっても物腰は変わっていない東郷だった。
「しかし真希、どうしてなんだ?」
「御免なさい、どうしてもお父さんが気になって」
 真希は小さくなって父に答える。
「それでつい」
「通信士はこのことを知ってたのか?」
「最初は知らなかったの。真希はただ長門に潜り込んで」
 いてもたってもいられずだ。計画性もなくそうしたというのだ。
「それでなの」
「そうか。それで通信士に見つかってか」
「真希が悪いの。あの人は悪くないの」
 真希はこのことを必死に父に訴える。
「御免なさい、本当に」
「全く。普段はいい娘なのにな」
 東郷は怒らなかった。やれやれといった顔だった。
 そしてその顔でだ。こう言ったのだった。
「我儘というかこれは」
「長官のことが本当に心配だったのですね」
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