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ヘタリア大帝国
TURN32 奇襲その十一
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「だから何があっても大丈夫だから安心してくれ」
「運がいいといってもな」
 宇垣はネクスンの経歴を見て言う。
「御主のそれは」
「うむ、この男の運は、危険だ」
 柴神も言う。宇垣に対して。
「周りはかなりの不運に遭う」
「しかし自分は死なないという、ですな」
「そうしたものだ。気をつけよう」
 二人はネクスンの悪運を見抜いていた。そうしてだった。
 何はともあれネクスンにも艦隊を任せた。マイクロネシアでの戦いの戦後処理も終わった。
 だがガメリカ軍は全て捕虜になった訳ではなかった。マイクロネシア外縁に展開していた艦隊は何とかハワイまで撤退した。その指揮にあたっていたのはアメリカ妹だった。
 アメリカ妹はハワイまで退きながらだ。こう言うのだった。
「全く。急にやられたね」
「そうですね。本当に」
「一戦も交えずでしたね」
 艦橋にいる士官達が彼女の言葉に応える。
「全く。宣戦布告と同時に攻められては」
「我々もどうしようもないですね」
「本当にしてやられましたよ」
「まさかここまでやられるとは」
「結構な数の連中が捕虜になったね」
 アメリカ妹は艦橋で腕を組んで立っている。そのうえで苦い顔になっていた。
 その言葉も苦い。だがその苦い言葉を出さないではいられなかった。
「完璧なワンサイドゲームだね」
「はい、マイクロネシアは放棄ですね」
「そうせざるを得ませんね」
「予定通りだけれどね」
 ガメリカの戦略通りであることは確かだった。
「それでも多少戦って日本軍に消耗を強いるつもりだったけれどね」
「そこは上手くいきませんでしたね」
「残念ながら」
「全くだよ。あたし達はハワイまで撤退するよ」
 これも予定通りだった。
「とりあえずね。けれど兄貴の方はどうなるかね」
「マニラですか」
「あの星域ですか」
「マニラも一旦放棄することが決まってるけれどね」
 やはりハワイまでの撤退だ。これは念頭に入れていた。
 だが問題はそれが計画通りいくかだ。それが問題だった。
「あそこにはダグラスさんとキャシーがいるけれどね」
「それにララー=マニィ提督もですね」
「人材は揃っていますね」
「イザベラは何処にいたかね」
「あの方は今はハワイです」
「そちらにおられます」
 士官達がアメリカに話す。
「そこで待機とのことです」
「とりあえずは」
「やれやれだね。まあ今は決戦の時じゃないね」
「はい、まずはハワイまで退き」
「そのうえで」
 こう話してだ。そのうえでだった。
 アメリカ妹は自分が率いる艦隊と共にハワイまで撤退した。そうするしかなかった。
 そしてその同じ頃だった。マニラ2000でもだった。
 日本帝国軍が攻撃を仕掛けようとしていた。日本帝国軍の攻撃はまずは完
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