暁 〜小説投稿サイト〜
或る皇国将校の回想録
第五部〈皇国〉軍の矜持
第七十七話 護州軍の進撃
[9/9]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
我々を突くのは伏ヶ背からとなるでしょう。蔵原の場合は事前に探知できる規模の攻勢となるかと」

「つまりこういうことか、退く計画を立てるにしても豪勢な防御陣地を作り、敵の攻勢をためらわせる必要がある、と」
「まさしく、その通りです、若殿様」
「それで、俺の仕事は捺印と叔父上たちに金をせびる事」
 豊地は珍しくニヤリと笑い答えた
「まさしくその通りです、若殿様」

「貴様なぁ」「私も冗談くらいはいいます」
  ふん、と鼻を鳴らし定康は雑に頭を掻き毟った。
「仕方あるまい、俺が言い出したことだ。叔父上と兵部省に金をせびるか、あぁ畜生面倒な事になった」

「大功績ではありますよ、しかしこうなると連絡線の再編も必要で――」
 ポン、豊地はわざとらしく手を叩いた。
「あぁ若殿様――いえ閣下はもっと重要な仕事がありましたね」

「なんだそれは」「吼津の門前で記者会見をおこなわないと、無論その前に市長へ公開書簡を送らねばなりませぬ。広報官と副官に草案は作らせておきましたが、急ぎ正式なものを」
 定康が呻き声をあげる姿を副官である宵待は嬉しそうに見ていた。


[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ