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おっちょこちょいのかよちゃん
35 冬田美鈴、危機一髪
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む人だよ」
 三河口が大野に近づいた。
「君が大野けんいち君か。俺は三河口健。山田かよ子ちゃんの隣の家に居候してる高校生だよ」
「宜しく。どうして俺の名前を知ってんだ?」
「ああ、それについては異世界の敵との戦いを通して知っているんだよ。君らによってオリガが倒された後逃げた丸岡に一泡吹かせたのは俺とこの友人だよ。このおばさんがこの護符によって出したアイテムの能力(ちから)を使ってね。ちなみにこの戦艦もおばさんが出したんだ」
「そうだったのか」
「俺もその友人も今何かしらの胸騒ぎを感じているよ。これはきっと異世界からの敵やその世界を無理に繋げた『組織』の人間が近づいてきたからに違いないと思うな。その場所が今爆発が起きた場所だよ」
「なら飛行機が飛んでいる所がもっと怪しいな!今すぐそこに行こうぜ!!」
「う、うん、そうだね!」
 皆は戦艦を飛行機のある方角へと進めた。その時、さりが窓から何かしらの物体が近づいてくるのを見つけた。
「何か近づいてくるわよ!」
「え!?」
 皆は窓越しにさりが見ていた窓の方向を確認する。透明な球体が水の中を浮いて動いている。そこには少女が二名、高校生ほどの男子が一名いた。
「ミカワ、あれ濃藤だぞ!」
「本当だな、濃藤の妹もいるぞ!」
「す、すみ子ちゃん!!一緒にいるのは・・・、冬田さん!?」
 かよ子はすみ子はともかく、なぜ冬田が一緒にいるのか謎に思った。
「兎に角、助けてあげよう!」
 利治の声で皆は救出にかかった。
(あの子達を助けてあげて・・・!!)
 さりはそう願うと、球体が戦艦の方に吸い寄せられるように近づいた。かよ子や三河口、杉山、大野、北勢田はデッキに出た。
「す、すみ子ちゃん!!」
「あ、かよちゃん・・・!!」
「濃藤、大丈夫か!?」
「ミカワに北勢田・・・。ああ、俺は大丈夫だよ」
 冬田は大野の姿を見ると、大泣きして飛びついた。
「お・・・、大野くうん!!うわああああああん!!」
「何だよ、冬田!?何があったんだよ!?」
 大野は迷惑そうに思いながら聞いた。
「わ、私い、あの飛行機の人達に捕まってえ、逃げてきたのお・・・。それで、杖とか護符とかあるかって聞かれたのお!それでこの人達が助けてくれたのよお」
「杖、護符・・・?」
 杉山ははっとなった。
「間違いない、奴等だ!!」
 かよ子も周囲の皆も驚かずにはいられない。かよ子は冬田が羽根を持っている事に気づいた。
「ふ、冬田さん、その羽根で私達を飛行機の所へ連れて行って!」
 かよ子は冬田に頼んだ。
「う、うん!」
 冬田は羽根を広げた。
「俺も行くぜ!」
「俺も!」
「僕も!」
 大野も、杉山も、長山も名乗りをあげる。だが、三河口が待ったをかける。
「待て!」
「な、何だよ?悪い
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