35 冬田美鈴、危機一髪
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は高校生ほどの男子だが、もう一人は見覚えがあった。嘗て大野達の秘密基地を乗っ取り、友達となった隣町の学校の女子・濃藤すみ子だった。
「お前ら。誘拐か!?」
「お前らこそなんだ!?」
「通りすがりだよ」
その高校生はそう言うとすぐさま拳を二人の男の頬に突き付けた。二人はすみ子によって動きを封じられている為、迎撃もできずに殴られた。冬田はその隙に羽を奪還した。
「あ、貴女、いつかの・・・。大丈夫!?」
「ええ、大丈夫よお」
「私の銃で今この二人は5分だけ動けなくしたから今のうちに逃げよう・・・」
「ええ」
三人は飛行機のドアから脱出した。すみ子は銃の引き金を引く。球体の膜が張られた。
「これで水の中に入ったり、空を飛ぶこともできるよ・・・」
三人は飛行機から離れた。
ブー太郎は雨音のせいであまり寝つけなかった。また、避難勧告も出ている。ブー太郎の住む家の地区は浸水を免れてはいたものの、屋根に穴が開くかというくらい雨の勢いは強烈なものであった。
(大野君と杉山君、大丈夫かなブー?)
心配で眠れない自分とは対照的に、妹のトミ子は爆睡していた。と、その時、窓が光った。ブー太郎は雷かと思ったが、雷鳴はしていない。窓を見てみると、爆発したかのような光が見えた。雨なのですぐに消えてしまったが。
(も、もしかして・・・!?)
ブー太郎も以前「次郎長」の他のメンバーに組織「義元」、クラスメイトの山田かよ子や長山治とその妹の小春と共にオリガという異世界からの女性や丸岡という謎の男と戦った事がある。もしかして彼らのような者が攻めてきたのかと思った。
「い、行ってみるしかないブー!」
ブー太郎は石松から貰った水の石を持ち、家を出た。
かよ子達は爆発のある場所へと急ぐ。そして、飛行機が見えた。
「こ、こんな雨なのに飛行機が飛んでる!?」
「何だって!?」
杉山も疑い、目を丸くしてみた。確かに上空には飛行機が飛んでいる。そして杉山は何やら巨大な植物が移動している様子も見えた。
「あ、大野だ!」
「え、大野君!?」
かよ子も驚いた。かよ子、杉山、長山は大野に手を振りながら叫んだ。
「お〜い、大野お!!」
「お、大野君!!」
「大野君、こっちだよ!!」
大野もちょうど声に気づいた。葉の上から戦艦のデッキの上に降りる。
「杉山!?山田に長山も!どうしたんだ!?」
「俺達は向こうで何か爆発があったんでそこに向かってんだ!」
「まじか!俺もだよ」
「そ、それじゃあ、一緒に!」
「そうだな。それにしてもこれ、戦艦か?」
「うん、そうだよ!」
「山田の知り合いの人が出したんだ」
「凄いな」
大野を戦艦の中に入れると、かよ子の両親の他、見知らぬ男子高校生や大人がいた。
「この人達は私の家の隣に住
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